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美装
「美装〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美装の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
負担から気のゆるんだ人々は、ようやく調整され始めた経済状態の下《もと》で、生活の
美装という事に傾いていた。自然主義は思想生活の根底となり、当時病天才の名をほしい....
「門」より 著者:夏目漱石
Gambling《ガムブリング》(博奕史《ばくえきし》)と云うのが、ことさらに
美装して、一番真中に飾られてあったので、それが幾分か彼の頭に突飛《とっぴ》な新し....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
おかみに「お上手ですねえ」とお世辞でも云われると、彼は頗る得意である。労働最中に
美装した都人士女の訪問でも受けると、彼はます/\得意である。
稀に来る都人士に....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
者はまことに少ない。まれに出版される書物を見れば通俗的な何々講習会の講演の原稿が
美装を凝らして現われたのにすぎない。著者の個性のあらわれた独創的な思想の盛りあげ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
る建物。ひづめの音。半月。第五日の印象。いまのSSSR、コサックと農民と労働者が
美装の史書へしるした大きな黒い手のあとだ。 第六日。 終日散歩。古物店をまわ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
唐草模様の獣皮の表紙に真鍮の鋲を打ち、ゴセックふうの太い釦金で綴じてある」一巻の
美装史書だからだ。 そして十二世紀! こぺんはあげんは十二世紀に根をおろした市....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ているか、これでも知れよう。 そんなら一たい、なぜそうこの「儀礼と技芸によって
美装されたる牛殺し」が、西班牙民族のうえに尽きざる魅力を投げるか? 言い換えれば....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
es の游弋隊とが衝突して散った。麺麭屋の仕事場のような温気のなかを饒舌と昂奮と
美装とが共通の興味のために集合し、練り歩き、揺れ動いていた。そこにはヴァテカン美....
「母親」より 著者:豊島与志雄
前にして控えている。参詣の子供たちの氏名を書き留めるのであろう。拝殿の前面には、
美装の人々が立ち並び、衣冠束帯の神官から清め祓いを受け、白紙に包んだ御供物を貰い....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
妹たちに虐待されながら台所で働いていたが、妖精であるその教母がシンダレラに魔法で
美装させて王宮の舞踏会に行かせ、王子に恋されたシンダレラは魔法の消える夜半に宮殿....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
て知るも識らぬも忽ち一大家族のように、歓談、遊戯、舞踏、様ざまの催し物――美食と
美装の限りをつくした「推進《プロペラ》する社交室」だ。 シェルブル寄港。 ク....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
真白できみが悪い、これらも同前の感じである。 ぞべらも、その撞木娘もともに多く
美装した娘であるが、これがまたへんに凄い不思議な謎の味を持っていると思う。 ....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
岩魚もある。そして、鱗を白い小さい玉と、紅の小さい玉とが不規則に飾って、まことに
美装の持ち主である。大きなものは一貫目以上に育つ。かつて、奥上能瀬沼でとれたもの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
々島田夫人と途中で行逢った。今なら女優というような眩しい粉黛を凝らした島田夫人の
美装は行人の眼を集中し、番町女王としての艶名は隠れなかった。良人沼南と同伴でない....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
The Pictorial Arts of Japan(『日本画論』)と題する
美装の書(Edition du Luxe)二巻を著しまた同年英国美術館の購求せし....