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美観
「美観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
の林が隈《くま》なく染まって、日の西に傾くとともに一面の火花を放つというも特異の
美観ではあるまいか。もし高きに登りて一目にこの大観を占めることができるならこの上....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
選び、死後はその遺骸に敬意を表する。西洋においては、花を飾るのは富を表わす一時的
美観の一部、すなわちその場の思いつきであるように思われる。これらの花は皆その騒ぎ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
段になるではないか。そうなるとやっぱり醜くないことはないね」 「君は非常識だよ。
美観を一つの条件とする現代の外科手術において、そんな段になるような手際の悪いこと....
「病房にたわむ花」より 著者:岡本かの子
にとって唯迷惑でありましょう。しかしそれらは却って私が桜を多くめでるのあまり桜の
美観が私の深処に徹し過ぎての反動かもしれません。かりに桜のない春の国を私は想像し....
「発明小僧」より 著者:海野十三
十五類五、家畜用便器)――出願人、四谷区永住町、中×清氏。 牛馬の両便と都市の
美観衛生問題は、これ誰しも頭痛の種である。そこで此の発明が生れたわけである。 ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。 効いたから、売れたのではない。いうまでもなく、広告のおかげだ。殆んど紙面の
美観を台なしにしてしまうほどの、尨大かつあくどい広告のおかげだ。もっとも年がら年....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ォンテン・ブローを過ぐる際、折りしも森林は一面に結晶した白い氷で被われて、非常な
美観の実験をなし、これの起す電気にて水の分解されるや否やをしらべた。 ゲノアか....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
産として残る様になったか、其解き棄てになった不審が、いつまでも、民族の宗教心・審
美観などといえば大げさだが、何かのきっかけには、駭然として目を覚ます、そう謂った....
「春」より 著者:岡本かの子
句、とうとう気違いになるまで、加奈子は美しい花が、あやうい風に吹き廻されるような
美観で、うかうか京子の運命を眺めて居た。 どちらかと言えば甘くて気位の高い世間....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ず東京のネオンサインよりも光度に於て強く色彩に於て複雑なこの都会のネオンサインの
美観を礼讃しなければならなかった。そうして何の町へ行っても、即ち、メンスツリート....
「帯の巾が広すぎる」より 著者:上村松園
ののもつ裳裾の感じが真に自由で美しいものと考えております。然しきものは袖の簡略と
美観を保つために元禄袖のように風流に仕立てたいと思います。 何しろ若い方は日本....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の燈明とが互いに相照すその美しさは、ほとんどこの世の物とも思えないほどの壮観及び
美観を呈して居るです。
そういう供物一つだけではない、小さなのを合せると百二、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
後六時ジュネーブに着し、インターナショナル旅館に入宿す。同市は小パリと名づくべき
美観を有す。屋高く街ひろく、旅館のすこぶる美大なるものあり。これに加うるに、湖上....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
九十度式建築の代りに、角八十七度半ないし角七十七度三分の一式の建築を命じ、都市の
美観を添えねばならぬと考えた。道路にしても、今日のような非自然的なアスファルトや....
「夕暮の窓より」より 著者:小川未明
混った物音も聞かない。また、二十世紀の科学的文明が世界の幾千の都会に光りと色彩の
美観を添え、益々繁華ならしめんとする余沢も蒙っていない。たゞ千年前の青い空の下に....