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美辞麗句
「美辞麗句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美辞麗句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯籠」より 著者:太宰治
した。私のことが出ていたのでございます。万引にも三分の理、変質の左翼少女|滔々と
美辞麗句、という見出しでございました。恥辱は、それだけでございませんでした。近所....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
のびて、ことし三十五になった。そろそろいい時分だ、なんて書くと甚だ気障な空漠たる
美辞麗句みたいになってつまらないが、実朝を書きたいというのは、たしかに私の少年の....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
通暁し、また漢籍の渉猟《しょうりょう》においても浅からざるものがあった。みだりに
美辞麗句を連ぬるのみでなく、彼の思想の根柢には、浄土教より得たるところの遒麗と静....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
つ》家もみな同じだった。彼は一般に雄弁を軽蔑《けいべつ》するふうをしていた。その
美辞麗句をよく理解しようなどとは骨折らずに、話してる人と聴《き》いてる人々とを通....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
辱ででもあるかのように苦しんでいた。祖国の魂の上に幾世紀となく積もり重なってる、
美辞麗句と精神的隷属との霧の中に彼らの声は鳴り響いていた。容赦なき現実主義と一徹....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
の首を求めにくることが、もはやないようにしたいものである。すべてそれらの名目は、
美辞麗句であり空太鼓《からだいこ》であり空言《そらごと》である。そのふくらみは針....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
真似はしないはずですよ。序文だとか描写だとか、そんなものが何になります? 余計な
美辞麗句が何になります? 僕の恋は測り知れないほどに深いんです。……お願いです、....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
は、いわゆる理性尊重の時代で、一方宮廷などでは、かのプレシオジテといわれるような
美辞麗句の羅列も流行したが、一般民衆の間には、次第に、正確に、直截に自分の考えを....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
大変なことですな。あいにくなことで」 なぞと、ふだんの私なら思いつくはずもない
美辞麗句がおのずからに湧きおこる。これを詩境というのかも知れない。 自分の借金....
「魔都」より 著者:久生十蘭
妄談ではないらしく、日比谷公園の園丁長が自身で親しくこれを聴き、和歌を一首添えた
美辞麗句的な目撃記を「夕陽新聞」に寄せたので、日比谷公園の青銅《ブロンズ》の鶴が....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
んて普通の頭の思いつくことではない。追福のひそかな営みをお祭にし、愚にもつかない
美辞麗句式の弔辞をながながと読みあげ、〈何々君ノ霊ヨ、来タリウケヨ〉などと受領を....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
たる通信記事の内容は、その冒険を競い、その敏捷を争い、その独自性をほこり、或は又
美辞麗句、奇抜であり、意表に出ずる等々千差万別の裡にあって、彼は終始一貫、兵士と....
「議会見物」より 著者:佐藤垢石
ところが、平沼がひどく老けているのに驚いたのである。更に悲しく思ったのは、演説が
美辞麗句に満ちていて、さっぱり内容のなかったことだ。失礼であるが、そのとき、これ....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
と、人中での態度は控え目でむしろおどおどしているくらい、率直で上辺を飾らず絶えて
美辞麗句を口にしない。さらにメンシコフによれば、彼は進取の気象とユーモアに富んだ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であり、赤裸々であり、実際的でさえあった。力づよく要点に触れるほかは、いっさいの
美辞麗句を駆逐した格言体が、どこまでも続く文章で「訴願者」「式典と崇敬」「追随者....