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美醜
「美醜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美醜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ならずテニスか水泳かの選手らしい体格も具《そな》えていた。僕はこう言う彼女の姿に
美醜や好悪を感ずるよりも妙に痛切な矛盾を感じた。彼女は実際この部屋の空気と、――....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は何時も意識的に彼の作品を作るのかも知れない。しかし作品そのものを見れば、作品の
美醜の一半は芸術家の意識を超越した神秘の世界に存している。一半? 或は大半と云っ....
「富士」より 著者:岡本かの子
を翁はみな自分の分身のように感じられた。翁は山々を愛するがゆえに、それ等の山々の
美醜長短を、人間の性格才能のように感じ取った。事実、山には一目見ただけでも傲慢で....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
》のある生存を保っていくには、何よりあの腫物《はれもの》を除かねばならない。あの
美醜の両面は、それぞれに十四郎の、二つの人生を代表している。けれども、その二つを....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
いました。顔のカタログをみて、そのうちで一等好きな顔に直してもらったのです。顔の
美醜ほど、昔人類を悩ましたものはありません。だが考えてみると、あの頃の人間も知恵....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、私を勝手次第に切りこまざいてはならぬ。お前が外界と交渉していた時のように、善悪
美醜というような見方で、強いて私を理解しようとしてはならぬ。私の要求をその統合の....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
とを一寸云ったのよ。いくら物質の平均が行われても人間の持って生れた智能や、容貌の
美醜の平均までは人為的制度でどうにもならないでしょう。かりに茲に二人の人間があり....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
所有することである。善悪を知るには徳を積むよりほかはない。 善と悪との感じは、
美醜の感じよりもはるかに非感覚的な価値の意識であるから、その存在は茫として見ゆれ....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
在ル。眉目ノ寸法、配列等ガ当ヲ得レバ美人トナリ、マタ当ヲ得ザレバ醜人トナル。而モ
美醜間ニ於ケル眉目ノ寸法配列等ノ差タルヤ極メテ僅少ニ過ギナイ。美人ノ眼ガ僅カ一度....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
発揮する心身相伴った能動的な力であります。 この「表情」の力は、単純に通俗的な
美醜の標準に従ってその価値を云々することはもとよりできません。俳優の場合は、それ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
のようなもので、いろいろに芝居を作ってしまうようなところがある。だから女形の顔の
美醜などは、以前は、それ程大した問題にはならなかったと言えると思う。今の映画俳優....
「鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
大事にすることが大切だ。 鮎は容姿端麗なさかなだ。それでも産地によって、多少の
美醜がないでもない。 鮎は容姿が美しく、光り輝いているものほど、味においても上....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
り。 されども世俗の見解には堕ちぬ心の明鏡に照らしてかれこれともに愛し、表面の
美醜に露|泥まれざる上人のかえっていずれをとも昨日までは択びかねられしが、思いつ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
が感じられた。果して解脱はあるものである。そしてこれを掴んだものは、もう人工的の
美醜良否は没交渉となるのであろう。そう感じた慧鶴は寺へ戻ると今まで、まだ未練で伴....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の万事万物はみな、この三つの条件のどれ一つかの狂いで、正不正に別れ、善悪に別れ、
美醜に別れます。例えば愛について言ってみますと、一人の夫が道を歩きながら、見も知....