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「美顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
あった。ひとの顔を注意してみると、皆自分よりましな顔をしていた。硫黄の匂いのする美顔水をつけて化粧してみても追っ付かないと諦めて、やがて十九になった。数多くある....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
うのが、理髪店《りはつてん》向きの石鹸《せっけん》、クリーム、チック、ポマード、美顔水、ふけとりなどの卸問屋《おろしどんや》であると聞いて、散髪屋へ顔を剃《そ》....
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
きれい》に掃除したり恰好《かっこう》をよくするという商売があります。近頃日本でも美顔術といって顔の垢を吸出して見たり、クリームを塗抹《とまつ》して見たりいろいろ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
のつゆ杓子《しゃくし》 拾銭。 御飯杓子 参銭。 鼻紙一束 弐拾銭。 肌色美顔水 弐拾八銭。 御神酒 弐拾五銭。 一合。 引越し蕎麦《そば》 参拾銭。....
大脳手術」より 著者:海野十三
それが急に生れかわったような美人になったんだそうで、そこにはそれ瀬尾教授の施した美顔整形手術の匂いがぷうんとするじゃないか。そういう人為的美人に、君という莫迦者....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
の方の拡がった葉鉄の四角なのでした。また今パールとか何とかいって、白粉下のような美顔水というような化粧の水が沢山ありますが、昔では例の式亭三馬が作った「江戸の水....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
う。この余りものがうっかりすると芸術にそのまま現れるのだ。 それで人間はいくら美顔術をやっても絶対に脂やフケを追放することは不可能なことだ、ただ程度と分量の問....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
。おねがいだから、黙っていて頂戴―― 一方、蓬莱建介が自宅に帰ると、蓬莱和子は美顔術をやっている最中であった。鏡の前にすわって、べたべたするものを顔中に塗りつ....
梟雄」より 著者:坂口安吾
にうたれた思いであった。怖る怖る道三の顔を仰いだ。老いてもカミソリのような道三の美顔、なんの感情もなかった。 「濃姫のヒキデモノだ」 道三は呟いた。 両家の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うん、こうして御対面、シミジミ拝顔すると、さすがに正司君は目が高い。ヒナには稀な美顔ですなア。いつだったか、正司君の診察をしてあげた時は、あなたはまだ山家育ちの....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
暴露は恥とならぬ これが矯正《きょうせい》策としては、顔が醜《みにく》いとても美顔《びがん》術をほどこす必要もなかろう。蓼《たで》食《く》う虫もある世の中には....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
ムのつゆ杓子 拾銭。 御飯杓子 参銭。 花紙一束 弐拾銭。 肌色美顔水 弐拾八銭。 御神酒 弐拾五銭 一合。 引越し蕎麦 ....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
こちらで置いて頂きたくッても、先方様でねえ」 「いいや、そうで無いよ。お前の様な美顔で、心立の好い者は、どのくらい武家の方で満足に思うか分らない」 「おほほほは....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
」と、お梶は無邪気に、振り返った。剃り落とした眉毛の後が青々と浮んで見える色白の美顔は、絹行燈の灯影を浴びて、ほんのりと艶めかしかった。 「ちと、御意を得たいこ....
放浪」より 著者:織田作之助
であった。ひとの顔を注意してみると、皆自分よりましな顔をしていた。硫黄の匂いする美顔水をつけて化粧してみても追っ付かないと思い諦めて、やがて十九になった。数多く....