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美風
「美風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
景だの、気候だのに愛着のある訣《わけ》ではない。実は怠惰《たいだ》を悪徳としない
美風を徳としているのである。
博学なる君はパンデン・アアジシャのラッサに与えた....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
やおらことばを改めると、おごそかに申し渡しました。 「七郎兵衛の罪は良俗を乱し、
美風を損じたる点において軽からざるものがあるが、右門特別の慈悲により、お公儀への....
「新生」より 著者:島崎藤村
んなことじゃダチカン。兄弟が互いに助け合うというのはわれわれ岸本の家の祖先からの
美風ではないか。それに捨吉の方ばかりじゃない、俺の家でもこれから発展しようという....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
抱擁し、これが經濟單位であり、且つ生活單位でもあつた。この家族制度は日本の傳統的
美風とされたが、一面非常な不合理をも含んでいた。我等の理想社會は、經濟單位と生活....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
克巳が当校に奉職してよりここに六年、いまだ日浅きにかかわらず、前校長ののこされた
美風と当地方の健全なる空気と、職員諸氏の篤実とによって幸いに大瑕なく校長の任務を....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
的な食事を経とし、聖人の教と雖も是には過ぎない、それが一般の風習と聞いては予は其
美風に感嘆せざるを得ない、始めて此の如き
美風を起せる人は如何なる大聖なりしか、勿....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
親戚の者が、困っているのに対し、藷や菜っ葉を少しずつ分けてやるのは、日本人の
美風である。群馬県の若きお巡りさんといえど、この
美風には理解がいくと思う。 こ....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
準がだんだん下って行くのが分る。益※下がって行く。いくら村長や警察署長が「農村の
美風」をかついで、ムキになったって、食えなくなれば、どうしても地主様に「手向い」....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
事によると弟子が借金してでも、その師匠の功徳の為に「ゲ」及び燈明代を供えるという
美風がある。これは俗人社会においては全く見ることは出来んけれども、僧侶社会には普....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
かはみなよく飲むも、過飲泥酔は一人もなく、喧嘩口論も一回も聞かざりしは賞賛すべき
美風である。また、晩食前には必ず顔を洗い、髪をくしけずり威儀を整え、また毎朝必ず....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
そのはなはだしい悪例は黄檗の書である。黄檗の書はまことに俗健そのものであって、雅
美風流には貧弱である。それは黄檗の坊さんたちが、芸術的生活に悟るところがないため....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
「おまえは天下の婦女子をたぶらかせ、市政を乱し、女子をして政治に携らしめて我国の
美風を傷つけ、朝憲を紊乱せしめたものである。すべてこれらは死刑に該当するものであ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
得意になって私に話して聴かした話で、今に耳に残っております。 「イギリスの家庭の
美風は、|お茶時で維持されている」「フランス人の機智は、珈琲店(日本のカフェーと....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
なのである。 今は京都も時世の推移とともに面白からぬ風潮が流れ込んで、持ち前の
美風も、よい産物も、だんだんと失われていくようであるが、それでも家庭料理などを見....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
育の模倣の遺風である。速やかに一抛、兵と苦楽をともにせしめねばならぬ。率先垂範の
美風は兵と全く同一生活の体験の中から生まれ出るべき筈である。 将校を任命する時....