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羞恥心
「羞恥心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羞恥心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
うべは失敬、と笑いながら軽く言う事が出来ました。やっぱり男は四十ちかくになると、
羞恥心が多少|麻痺《まひ》して図々しくなっているものですね。十年前だったら、私は....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
所が、女たちに気を許させるのであろう。自意識のあるもっともらしい男の前では感ずる
羞恥心を京吉のような男の前では、奔放に捨ててしまうことが出来るのだった。眩しいほ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
はっきりとは意識していない内心の秘密を車のぬしはとうに見破っているらしい。一種の
羞恥心と恐怖心とがひとつになって、千枝太郎はもうその車を追いかける勇気を失った。....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
。こういう下卑た人間の前では、女というものは、異国人の前に於けるように、いくらか
羞恥心を忘れるものであろうか。ともあれ、彼女は佐古のやり方にだんだん馴れて来て、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
かの女の背中を撫でさするのを想った。かの女は自分の理論性や熱情を、一応否定したり
羞恥心で窪めて見るのを、かの女のスローモーション的な内気と、どこ迄一つのものかは....
「碧眼托鉢」より 著者:太宰治
まで五六枚ずつ、謂わば感想断片を書き、この雑誌に載せて来た。しかるに、世の中には
羞恥心の全く欠けた雨蛙のような男がたくさんいて、(これは、私にとってあたらしい発....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ない。せめて「赦してくれよ」といって殺すべきである。美の創作のために一人の処女の
羞恥心を犠牲にしてもいいかどうかはまだ決まってはいない。貧乏人の娘を裸体にして若....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
それが楽しいからであった。この変わった性質というのは、野性的な、夢中になるほどの
羞恥心《しゅうちしん》と潔癖とであった。彼は女に関するある種のことばやある種の会....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
メッタにこんなことをやらなかったが、近ごろは、怖れげもなく、そういうことをやる。
羞恥心の喪失ということではないようだ。元々羞恥してはおらぬのである。なぜなら、元....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
にを……ミス・ヘミングウェーのこれは、意味するのだろう。処女が、娘の媚態ともいう
羞恥心を捨ててまで、自分に、浴室に入れとは、戯れだけと云えないことだ。) と、....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
作家や翻訳の大家や流行作家がこんな紋切型の田舎言葉を書いているのを見ると、彼等の
羞恥心なき厚顔無恥に一種義憤すら感じてしまうのだが、大阪弁が紋切型に書かれている....
「春」より 著者:岡本かの子
投げ込まれたように入って来た。京子はぎょっとして学生を見たが、突発的な衝動めいた
羞恥心が、一種の苦悶症となって京子を襲った。倉皇としてそむけた京子の横顔から血の....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
っと腕を伸ばせば、娘の体は磁石のように吸い寄せられて来るのだ。それを拒もうとする
羞恥心よりも、何かにすがりつきたいという本能の方が強いというのが、女の本性である....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
題にしていない時でも、絶えず意識の中に網の様に張られているのだ。恐らく、自尊心と
羞恥心から来るものと思う。この本能は愛の駆引きに非常に役立つものらしいけれど、そ....