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群棲
「群棲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
群棲の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
いもあった。実際夜露を凌ぐにいい繁みの間には、注射針のように鋭い嘴をもった藪蚊が
群棲していて、襲撃してくるやつを払えば払うほど、人間のいることに気がついた新手の....
「黒猫」より 著者:島木健作
。ここにあるものは生殖のための血だらけな格闘だった。私はいつか映画でオットセイの
群棲を見たことがある。鰭のような手足でバタバタはねる恰好や、病牛の遠吠のような声....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
スと呼んでみたくなるのらしい。 事実上、海洋と、孤島とを棲処《すみか》として、
群棲《ぐんせい》を常とする信天翁《あほうどり》が今時分ひとりで、こんなところをう....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
甕《みずがめ》と、金いろの腕輪とを大事にして、まるで瘤牛《ジイプ》のように山野に
群棲《ぐんせい》していた。それは「古代からそのままに残された人種」の一つの代表と....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
コーの大物はこれに限るということだ。同じような習性は、猿にもあるようだ。あるいは
群棲する哺乳類、否、動物の多くがそうなのかも知れない。人間だって、ツイ千年前ぐら....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
風に当たり、陽を溶かした水に削られて形の無くなるところまで、これらの氷山は巨大な
群棲動物のような、或いは白亜の多島海のような偉観を呈して浮游する。中には周囲数十....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
総動員をもって海ひょう狩りの遠征を挙行した。 海ひょう狩りの目的は、サクラ湾に
群棲する海ひょうをとって、その油をとることにあった。じっさい洞窟内のもっともなや....
「妻」より 著者:神西清
いつもの癖で自分のおきまりの尺度を彼に当てて見た――物質主義者、理想主義者、金、
群棲本能、等々。しかしどの尺度も近似的にすら当てはまらないのだった。そして奇妙な....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
雁や、鴨が棲んでいましたし、土地の古老の話によると、あらゆる種類の鳥が無慮無数に
群棲していて、まるで雲のように空を飛んでいたそうです。大小の村のほかに、このとお....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
う。 この不可思議な、この世のものとも思われぬ光景は、このグロテスクな黒褐色の
群棲の集団は、言語にも想像にも絶したこの北海の膃肭獣の生活は。 私は観た。右を....