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群落
「群落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
群落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
森県農村のさまは全く悲惨そのもの。とても、まともには見られない生活が行列をなし、
群落をなして存在している。(一行あき。)貴兄のお兄上は、県会の花。昨今ますます青....
「路上」より 著者:梶井基次郎
、起伏した丘や、その間に頭を出している赤い屋根や、眼に立ってもくもくして来た緑の
群落のパノラマに向き合っていた。 「ここからあっちへ廻ってこの方向だ」と自分はE....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
*
(十月×日)
宵あかり 宵の島々静かに眠る
海の底には魚の
群落
ひそやかに語るひめごと
魚のささやき魚のやきもち。
遠いところから落日が見....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
、大裾野の緩斜地で、すりおろしのわさびの、水々しい緑にひたっている。 石楠花の
群落が一時途絶えて、私の歩みは御庭へと移された。高峰の花のあるところに、お花畑の....
「夜の靴」より 著者:横光利一
の景色は、至極のどかだ。格子から見える山の上に一本高く楢の木が見えていて、そこへ
群落して来た鶸が澄んだ空に点点と留っている。天作はいつもする癖が出て敷居を枕に横....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
一区域内に集まってることで、宝石屋の通は軒並に宝石屋ばかり、絨氈屋は絨氈屋同士で
群落をなしている。バザーへはサイドをつれて車で出かけたが、街路が狭くて二台とは並....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
窓を掠めて駈け下ると、片側は新緑の谷間が見る見る深くなって行き、其処には針葉樹の
群落が幾つもあり、その間に赤や青に塗った人家が散在して、煙突からは淡い煙がのどか....
「山の春」より 著者:高村光太郎
の花が、厚手の葉にかこまれて一草一花、谷地にさき、時として足のふみ場もないほどの
群落をなして、みごとなこともある。カタクリの根は例のカタクリ粉の本物の原料になる....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
た平野のまなか、突兀たる岩山を背にした雪のように輝く白堊の大宮殿と仏殿と僧院の大
群落が、乾燥した空気の作用で、無類の鮮かさでクッキリと浮きあがっている。岩山の頂....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
神輿にでも乗った気持ちで甚だ快い。 万相渓で駕籠を捨て、いよいよ万物相(岩山の
群落の総称)への棧径へかかった。目指すところは天仙台と、天女の化粧壺である。内地....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
真入りで報じ「今年東京上野公園下ノ不忍池ニ発生シタ灌園《クワンヱン》がやつりノ大
群落ニ出会タ人ハ誰レカ歎声ヲ放タザルモノアリヤト問ヒタイ、蓋シ本年ハ不忍池ノ水ヲ....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
境《ほっきょう》なる八幡《やはた》村で、広さ数百メートルにわたるカキツバタの野生
群落《やせいぐんらく》に出逢《であ》い、折《おり》ふし六月で、花が一面に満開して....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
、太陽の輝きには夏の最後の贅《おご》りがあった。谷を吹き上げる南風がトリカブトの
群落をなでて、水ぎわをはるかに離れた身体には汗が感じられる。しかしゴールに近い歩....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
靡いている。紅に染った葉の色も霜や雪に焼けて、少し黒ずんでいた。草間には小岩鏡の
群落が花時の美観を偲ばせ、蔓苔桃の紅い実がこぼれ散った宝玉を思わせる。 原のほ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
仕合せな位だ。夕飯はその谷間で済した。濃い紅の花を持った大桜草やベニバナイチゴの
群落が、晴れの饗宴を飾る卓上の花のように私達の石の食卓を飾って呉れる。偃松の枝を....