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群青色
「群青色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
群青色の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
さえ、その色のよさ!――魂までも引き入れられるようなただひと色の、さえざえとした
群青色なのです。いや、ひと色ではない。ひと色はひと色であっても、その
群青色のなか....
「俊寛」より 著者:菊池寛
縹渺と無辺際に広がっている海を、未練にももう一度見直さずにはいられなかった。が、
群青色にはろばろと続いている太平洋の上には、信天翁の一群が、飛び交うているほかは....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
決して悪い場所ではない。白山山脈の鬱蒼とした起伏や、夕方日が沈むと、五位鷺の鳴く
群青色の山峡から夢のように白霧が立ち昇って来る景色などは、日本風な優婉さで、特別....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
であった。 いつのまにかどこかの離れ島に渡っていた。海を隔ててはるかの向こうに
群青色の山々が異常に高くそびえ連なっている。山々の中腹以下は黄色に代赭をくま取っ....
「農村」より 著者:宮本百合子
云った。大方彼の群の一羽で有っただろうと想って見る。非常に羽色が美くしい。頸の、
群青色等は又とないほど輝いて、そのまんま私の頸に巻きつけたいほどだ。足なんかもさ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
を見たからであった。 上半身は、それは美しい女体であるけれども、腰から下は暗い
群青色に照り輝いて、細っそりと纏った足首の先には、やはり伝説どおりの尾鰭があった....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
あり、芭蕉があり、苔もここのはさびて白緑色を呈していて、陽のかげに生じているのは
群青色になっている。仇英の描く群青や緑青、また斑をもったきれいな苔を生じた太湖石....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
一かたまりの五月や躑躅が、真っ白、真っ赤な花をつけて、林を越して向うには、広々と
群青色の海の面が眺められます。 ここが食堂なのでしょう、清潔な卓布をかけた長方....