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羨む
「羨む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羨むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
《かね》に対しては、飼犬よりもさらに忠実だった。娘はこの時すでに婿を迎えて、誰も
羨むような夫婦仲であった。
こうして一二年の歳月は、何事もなく過ぎて行った。が....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
てならなかった。妬み深いのは廓の女の癖であると、彼女は自分で自分を戒めて、ひとを
羨むのは恥かしいとも思った。妬むのはおとなげないとも思い直した。そうは思いながら....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
のはない。この詩によってグレイは万世を慰めつつある。われわれは実にグレイの運命を
羨むのであります。すべての学問を四十八年間も積んだ人がただ三百行くらいの詩を遺し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は行かない。それにはかならず、強い感情を伴わなければならない。妬む、憎む、怨む、
羨む、呪う、慕う、哀む、喜ぶ、恐れる。そうした喜怒哀楽の強い感情がみなぎったとき....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る。憐れな偽善者よ。強さとの平均から常に破れて、或る時は稍※強く、或る時は強さを
羨む外にない弱さに陥る偽善者よ。お前の強さと弱さとが平均していないのはまだしもの....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ちは自分の身の安全のために、出来るだけ早く走ることを必要としたので、この快走王を
羨むあまり、その特殊な走り方を注意して眺めるようになった。そしていつしか大勢の馬....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
たい。「大きく眼を開いてこの時代を見よ」と。真に時代を洞見するならば、もはや人を
羨む必要もなく、また我が家の不幸を嘆くにも当らないであろう。時代を見、時代の理解....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
として相当に生活できる。仮令猶お立派に門戸を張る事が出来なくとも、他の腰弁生活を
羨むほどの事は無い。公民権もある、選挙権もある。市の廓清も議院の改造も出来る。浮....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
静だ」と曾て逸作を評したかの女の友人があった。その友人は、かの女を同情するような
羨むような口調で言った。だが、かの女はそれはまだ逸作に対する表面の批評だと思った....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
を下されたのは徒士組の名誉であると、組頭も喜んだ。他の者共も羨んだ。 喜ぶとか
羨むとかいうほかに、それが大勢の好奇心をそそったので、福井のまわりを幾重にも取り....
「黄金の腕環」より 著者:押川春浪
をする人だ、この腕環は侯爵家の祖先|照子姫と云う人の用いたもので、世の貴婦人達の
羨む珍品である、之れを三人の娘の内、この年の暮に最も勇ましい振舞をしたものに与え....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
はいるが、その類例は甚だ少い。仙人はわが国に多く歓迎されなかったと見える。仙人を
羨むなどという考えはなかったらしい。支那で最も多いのは、幽鬼、寃鬼即ち人間の幽霊....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
、お前に取って幸福でないとはいえない。今お前が羨んでいる同級生が、かえってお前を
羨むような時節がないとも限らない。お前はこれから他念なく出精して、植木屋として一....
「影」より 著者:岡本綺堂
念のために役場へ行って、戸籍の謄本をお取りください。あはははははは。 旅人 (
羨むように。)あなたは全く朗かですね。 おつや (いよいよ調子が崩れて来る。)え....
「男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
りましょう。ある時は、それがために、子供を持たない人々を幸福なりとして、却って、
羨むような場合もありました。 それでなくとも、いま自分が子供の親となり、子供に....