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羨望
「羨望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羨望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
を軽蔑《けいべつ》した。又何を知らぬにもせよ、母の乳だけは知っている彼の友だちを
羨望《せんぼう》した。現に小学へはいった頃、年の若い彼の叔母は年始か何かに来てい....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も、暮しに不自由はございませんでしたから、同僚の中でも私などは、どちらかと申すと
羨望《せんぼう》の的になったほどでございました。
家族は天にも地にも妻一人で、....
「彼」より 著者:芥川竜之介
しどうも失恋した彼に、――たとい失恋したにもせよ、とにかく叔父さんの娘のある彼に
羨望《せんぼう》を感じてならなかった。
五
彼はかれこれ半....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
たちまち家中《かちゅう》に広まったのであった。それには勿論同輩の嫉妬《しっと》や
羨望《せんぼう》も交《まじ》っていた。が、彼を推挙した内藤三左衛門《ないとうさん....
「路上」より 著者:芥川竜之介
何でも最近はどこかのレストランの給仕と大へん仲が好くなっているそうです。御同様|
羨望《せんぼう》に堪えない次第ですがね。」
俊助は藤沢がこう云う話を、むしろ大....
「或る女」より 著者:有島武郎
りという誇りを一身に集めたような美貌《びぼう》と才能の持ち主として、女たちからは
羨望《せんぼう》の的《まと》となり、男たちからは嘆美の祭壇とされたあの青春の女性....
「星座」より 著者:有島武郎
がおたけを意識しながら彼の演説の真似をしたりするのを見ると、ある忌《いま》わしい
羨望《せんぼう》の代りに唾棄《だき》すべき奴だと思わずにはいられなくなっていた。....
「競馬」より 著者:織田作之助
こいつ女みてえな肌をしやがってと、半分は稚児《ちご》苛《いじ》めの気持と、半分は
羨望《せんぼう》から無理矢理背中に刺青をされた。一の字を彫《ほ》りつけられたのは....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
円に価する稀覯本が取り出される刹那は、恐らく歴史的な瞬間でもあったし、また驚異と
羨望とで、息吐く者もなかったであろう。が取り出されたものを見ると、一同はアッと叫....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
しい妻と一粒種の子供を愛していたか、それは女生徒達の、弥次気分も通り越した尊敬と
羨望に現わされていた。事実私は、どの教師でも必らずつけられているニックネームを、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
はあまりに毎日|見馴れて、復一にはことさら心を刺戟される図でもなかったが、嫉妬か
羨望か未練か、とにかくこの図に何かの感情を寄せて、こころを掻き立たさなければ、心....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な陰気な商売はやめておしまいなさい。あなたを騎士のうちでもいちばん偉い、みんなの
羨望の的になるような人にしてあげます。あなたは私の恋びとです。クラリモンドの気に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ない生き方をする。そして、もし自分が「眼」のたちの人がそれによって得られる成果を
羨望しないところに、この人生の良き現実の世界が在り、自他の区別が整然とついた立派....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
自殺するような弱い女ではありません。子供こそないが、夫婦間も至極円満で親類中での
羨望の的になっていた位です、それに第一自殺しなければならないような原因は何一つあ....
「黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
て、ヨーロッパに於ける科学的思考の進展を照した」と呼ばれるほどの、「ヨーロッパの
羨望」の的となった学校である。それはフランス大革命の恐怖時代が終って間もなく、生....