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義人
「義人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
義人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
としただけである。
最後に小泉孤松《こいずみこしょう》の書いた「農家《のうか》
義人伝《ぎじんでん》」の中の一篇によれば、平四郎は伝吉の牽《ひ》いていた馬に泥田....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
おく。むろん私はこの青年に対して限りない同情を懐いているけれども」 ゲビスの正
義人道を基本とした雄弁も、この実際問題の前には、たじたじとなった。 提督の顔色....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
弁解しようとするだけではない。偽善者そのものになり代って、偽善者の一人なる私が、
義人に申し出たいと思わずにはいられないのだ。 何事にも例外はある。その例外を殊....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、巧みに、煽動した。居合わせた婦女子は、駭きのあまりに、失心する者が多かった。正
義人道を口にするものが、四五人もいて頑張れば、群衆の冷静さを、幾分とりもどせたろ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
何に助太刀すべきか、なおも棺輿の中の岳父にその附嘱のささやきを聴きつつ歩む昔風の
義人の婿の姿に見えた。 若さと家霊の表現。わたくしがこの言葉を逸作の口から不忍....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
最もよく現わされている。 アメリカの社会主義作家、アプトン・シンクレエアは、「
義人ジミー」に於て、帝国主義戦争に対する、プロレタリア階級のいろ/\な意識の内訌....
「転機」より 著者:伊藤野枝
うですか。」 私にもそういわれれば何かの書いたものでT翁という人は知っていた。
義人とまでいわれたその老翁が、何かある村のために尽したのだということも朧ろ気なが....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
食えないんで」 「こいつが一番恐ろしい」 「そこを狙って悪い奴が――でなかったら
義人だが。もっとも血眼で探したって、義の付く人間なんかいませんがね――烽火を揚げ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
の花を養い、「自然」の美しさを称えながら、他方では例の金子を用いて、諸国の志士や
義人たちを集め、あるいは尊王抑覇の講義に、または新兵器の製造に、専心したものと断....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
けの報酬せよという習慣が確立しておれば、村の発展は道路工事にあり、されど金なし、
義人現れて奉仕せざれば村の発展なし、と分って、自ら先じて黙々と道路工事の奉仕に当....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
万人の望むところであるにもかかわらず、世界の至るところで闘争が行なわれている。正
義人道は常に叫ばれても、われわれの良心を満足さすべき事実は至って乏しい。わが国に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
報局長は更任して、卓落|不覊なる処士高橋自恃庵は去って、晨亭門下の叔孫通たる奥田
義人が代ってその椅子に坐した。奥田は東京市の名市長として最後の光栄を柩に飾ったが....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
でもあって断わられたとしたら、せっかくここを指して集ってきた人たちに対して僕が名
義人として何と言って、皆さんへ申訳するのだ! どんな不面目迷惑を蒙らなければなら....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
歴史家にとっては、その理想は、財産の平等や無神論を主張して革命家等を死刑にした「
義人」ロベスピエールであった。彼は一七九三年の夏、パリ市民が饑饉に苦しんでいる時....
「芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
の軍備縮小などというが如き、其の実、戦争を予期しての企てに対して、却って、其の正
義人道を看板に掲げた底に潜む、資本主義的精神の狡猾を憎まざるを得ないが、ヒューズ....