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「義理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

義理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
にあつめている。 「親殺しじゃよ。――なぜと言えばな。沙金《しゃきん》は、わしの義理の子じゃ。されば、つながるおぬしも、子ではないか。」 「じゃ、その子を妻《め....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
せよ私自身の心やりに致したいと思うのでございます。」 こう云われて見ると私は、義理にもこの見知らない男の話を聞かないと云う訳には行かなかった。が、同時にまた不....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た白刃を持て扱うばかりか、おめおめ御意に従いましょうなどとは、どの面下げて申せた義理じゃ。よしよし、ならば己《おの》れらが手は借りぬわ。高がこの殿の命一つ、平太....
十円札」より 著者:芥川竜之介
感じた。のみならず窮状を訴えた後《のち》、恩恵を断るのは卑怯《ひきょう》である。義理人情は蹂躙《じゅうりん》しても好《い》い。卑怯者になるだけは避けなければなら....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
代で金の指環ばかり六つも嵌《は》めていたと云う事、それが二三年|前《まえ》から不義理な借金で、ほとんど首もまわらないと云う事――珍竹林主人はまだこのほかにも、い....
片恋」より 著者:芥川竜之介
るもんだから、大《おおい》に話がもてたろう。すると君、ほかの連中が気を廻わすのを義理だと心得た顔色で、わいわい騒ぎ立てたんだ。何しろ主人役が音頭《おんどう》をと....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
はノオトにとる訣《わけ》に行かなかった。) 「お母さん?」 「お母さんと言うのは義理のお母さんだよ。つまりその人だの玉蘭《ぎょくらん》だのを抱えている家《いえ》....
路上」より 著者:芥川竜之介
。が、藤沢以外の同人には、多少の好奇心もない事はなかった。しかも切符を貰っている義理合い上、無下《むげ》に断《ことわ》ってしまうのも気の毒だと云う遠慮があった。....
仙人」より 著者:芥川竜之介
らずに、二十年間も使った後《あと》ですから、いまさら仙術は知らぬなぞとは、云えた義理ではありません。医者はそこで仕方なしに、 「仙人になる術を知っているのは、お....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
しでもわかる通り、一体神と云うものは、人間離れをせぬ限り、崇《あが》めろと云えた義理ではない。――が、そんな事は話の枝葉《えだは》じゃ。康頼《やすより》と少将と....
或る女」より 著者:有島武郎
した。親しい間の人たちは別れの切《せつ》なさに心がわくわくしてろくに口もきかず、義理一ぺんの見送り人は、ややともするとまわりに気が取られて見送るべき人を見失う。....
或る女」より 著者:有島武郎
いますけれども、わたしには心底《しんそこ》をお打ち明け申しました所、どちら様にも義理が立ちませんから、薄情でもきょうかぎりこのお話には手をひかせていただきます。....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
っけらの眼から贅沢水を流す様な事をして居やがって、憚りながら口幅ってえ事が云える義理かい。イフヒムの奴も太腐れて居やがる癖に、胸三寸と来ちゃからっきし乳臭なんだ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら離れたくない……』私は一|図にそう思い込んで居りました。私は別に婦道が何うの、義理が斯うのと言って、|六ヶしい理窟から割り出して、三浦に踏みとどまった訳でも何....
活動写真」より 著者:淡島寒月
総てその場に出ているものに調和したものが、即ち趣味を以って置かれている。決してお義理一遍になげやりにただ舞台を飾るというだけに置かれてあるような事はない。総てに....