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羯鼓
「羯鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羯鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古き小画」より 著者:宮本百合子
の捜索を求めて来た。ターミナは、その時十八歳であった。表の広間は、勇将を迎えて、
羯鼓《かっこ》と鐃※《にょうはち》の楽が絶えなかった。内房には、時ならぬ春が来、....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
二三 音楽の音は幽かではあるが美妙な律呂を持っている。楽器は
羯鼓と笛らしい。鉦の音も時々聞こえる。 葉之助はしばらく聞いていたがやがて忍び....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、多数の牡獅子《おじし》と、牝獅子《めじし》と、小獅子《こじし》とが、おのおの
羯鼓《かっこ》を打ちながら、繚乱《りょうらん》として狂い踊ると、笛と、ささらと、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
水をかけたように、いつとはなしに愉快な音色はその静寂のうちに消えてしまった。笛や
羯鼓や竪琴の音も絶えて、七絃琴は糸が切れたように顫えてきこえた。一座ただ沈黙ある....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、それは響きにみちて鳴らずにいられません。きょうのおよろこびに一つのタンボリン(
羯鼓)をさしあげます。それはわたしよ。手にとってつよくうてば、その
羯鼓はよろこび....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
琵琶の絃音が投げ込まれる。そして花片の散り落ちるように、また漏刻の時を刻むように
羯鼓の音が点々を打って行くのである。 ここが聞きどころつかまえどころと思われる....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の儀といって、御食《みけ》、幣帛《みてぐら》を奉り、禰宜《ねぎ》が腰鼓《ようこ》
羯鼓《かっこ》笏拍手《さくほうし》をうち、浄衣を着た巫《かんなぎ》二人が榊葉《さ....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
時代には高麗楽のみが栄え、伎楽も林邑楽もその独立を失った。そうして新しく唐新楽(
羯鼓楽)が起こり、高麗楽と共に左右楽部として雅楽が成立するに至ったのである。この....
「三国志」より 著者:吉川英治
の兵馬が、ひっそりと、水の流れるように、野を縫ってゆく。 哀々たる銅角を吹き、
羯鼓を打ち鳴らし、鉦板をたたいて行く――葬送の音楽が悲しげに闇を流れた。兵馬みな....