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羸弱
「羸弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羸弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ってみたが、父としてはそれが堪えられないことだったらしい。清逸のことだから元来|
羸弱《るいじゃく》な健康を害《そこ》ねても何んとかするであろうが、それまでの苦心....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
に、体格の強壮な自分なら、苦学でもなんでも、やれぬことはない。これに反して青木、
羸弱《るいじゃく》といってもよい青木にとって、苦学などということは、思いも及ばぬ....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
な薄気味のわるい黄色い声を出して花嫁とやらの、いやらしい役を演じ、もともと神経が
羸弱で、しょげたり喜んだり気分のむらの激しい人だから、何かちょっとした事件に興奮....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
には、疑うべくもあらぬ肺結核の初期に入りぬ。 わが老健を鼻にかけて今世の若者の
羸弱をあざけり、転地の事耳に入れざりし姑も、現在目の前に浪子の一度ならずに喀血す....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
のはあるまい。旅にいると誰でも詩人だからだ。あるいは、すくなくとも詩人に近いほど
羸弱な感電体になっている。それは、周囲に活動する実社会とは直接何らの関係もない淋....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
水は、もちろん女性に相違なかったから。 そのほか、私の正面には、ルセアニア人の
羸弱な眼鼻立ちがあった。彼は、頸へ青い血管を巻いて、蓴菜のような指を組んでいた。....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
、膚色潤沢ニ歯整ヒ且強ク、臓腑|善ク発達スルモノ之ヲ強壮ノ体質トシ、之ニ反スルヲ
羸弱ノ体質トス」などというが如きものであって、いまだ見ぬ著者呉先生を欽慕する念の....
「金狼」より 著者:久生十蘭
この家憲は、現代もなお、違背なく固く遵守されているのだった。 葵の父は、生来|
羸弱《るいじゃく》な、無意志な人物だった。母は美しいひとだったが、劇しい憂鬱症《....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
んじまい、と思うのが僕の一歩を運ぶたびごとの節操であった。 しかも、われわれの
羸弱《るいじゃく》な脳髄は、獲得したものを残らず貯えて置くわけではない。落ちなか....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
の然《しか》らしむる所ならんか、暫《しばら》く疑《うたがい》を存す、もし予にして
羸弱《るいじゃく》にして、体育の素養なからんには、人事不省に陥《おちい》りたる後....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
労に堪えうるものが、自然その社会に勢力を占有して、幸福な生活を遂げ、暗愚にして、
羸弱懶惰なものが、その反対に社会の落伍者となるということは、おそらく人類始まって....
「軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
しく馬蹄の音を立てているのが著しく殖えて来た。動物愛護会の説によると、馬の貸主が
羸弱な馬を連れて来ては酷使しているのだそうである。乗っている当人は、英気颯爽の勇....