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羹
「羹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
時間表の前に立って、細《こまか》い数字をしらべている妙な男を発見した。その男は羊
羹色《ようかんいろ》の背広を着て、体操に使う球竿《きゅうかん》のような細い脚を、....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
だわしもある。味噌漉《みそこし》の代理が勤まるというなんとか笊《ざる》もある。羊
羹《ようかん》のミイラのような洗たくせっけんもある。草ぼうきもあれば杓子《しゃく....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
と視て）気遣いには及びません、血だらけなは、なおおいしかろう。 舌長姥 こぼれた
羹は、埃溜の汁でござるわの、お塩梅には寄りませぬ。汚穢や、見た目に、汚穢や。どれ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
う所へ、小さい菰座を拡げて、珊瑚珠、銀簪、銀煙管なんかを、一つ二つずつ置いて、羊
羹色した紋付を羽織って、ちょっと容体ぶったのがチョコンと坐っている。女や田舎もの....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
え……とんと早や、影法師も同然なもので。」と掠れ声を白く出して、黒いけんちゅう羊
羹色の被布を着た、燈の影は、赤くその皺の中へさし込んだが、日和下駄から消えても失....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
掻い候え、と言うのである。これを思うと、木曾殿の、掻食わせた無塩の平茸は、碧澗の
羹であろう。が、爺さんの竈禿の針白髪は、阿倍の遺臣の概があった。 「お前様の前だ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
驚しましたのに、「何にも入らない。南画の巌のようなカステーラや、べんべらものの羊
羹なんか切んなさるなよ。」とお笑いなすって、ちょうど宅が。」 また眉を顰めたが....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
帯の処へ手を当てる。 「そこでと、湯も沸いてるから、茶を飲みたければ飲むと……羊
羹がある。一本五銭ぐらいなんだが、よければお撮みと……今に何ぞご馳走しようが、ま....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
つまんで話すがね、ちょいと聞賃をあげるから。」 と菓子皿を取出して、盛りたる羊
羹に楊枝を添え、 「一ツおあがり、いまお茶を入替えよう。」 と吸子の茶殻を、こ....
「おびとき」より 著者:犬田卯
せた。 「これ、よっぽどしたっぺよ、かながしらにきんとん、かまぼこ、切ずるめ、羊
羹、ひと通り揃ってるもんな。それに二合瓶……やっぱり地所持は違ったもんだ。俺らも....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
るのとは撰が違う、江戸伝来の本場ものだ。黒くて筋の入ったのは阿蘭陀煉、一名｜筏羊
羹。おこしを食うのに、ばりばり音を立てなさんな、新造に嫌われる、と世話を焼いて、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
お聞きなさい。私ね、この頃人に聞いたんですがね。お店の仕来りで、あの饅頭だの、羊
羹だの、餅菓子だのを組合せて、婚礼や、お産の祝儀事に註文さきへお配りなさいます。....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
少くも今日の新らしい文芸美術の勃興は当時の欧化熱に負う処があった。 井侯以後、
羹に懲りて膾を吹く国粋主義は代る代るに武士道や報徳講や祖先崇拝や神社崇敬を復興鼓....
「西航日録」より 著者:井上円了
先後聖之揆一、千万里之心通、薈諸哲心肝于一堂、鎔大地精英于一籠、藐茲丈室与天穹窿
羹牆如見、夢寐相逢、諸星方寸億劫且暮、待来者之折衷。 孔子二千四百五十三年康....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
事に多く米を用い、米のスープあり、またササギを食す。酒は糖酒を用う。菓子にわが羊
羹に似たるものあり。 二十八日、晴れ。午前十時、サントス湾に入る。河口をさかの....