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「羽団扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

羽団扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、軒に八つ手の葉を吊《つる》して置くがいいと云い伝えられた。八つ手の葉は天狗の羽団扇《はねうちわ》に似ているからであると云う。関口屋でも本当にそれを信じていた....
一夜」より 著者:夏目漱石
も鵞鳥《がちょう》の翼《はね》を畳《たた》んで紫檀《したん》の柄《え》をつけたる羽団扇《はうちわ》で膝のあたりを払う。「古き世に酔えるものなら嬉《うれ》しかろ」....
夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
になっていた。書斎の壁にはなんとかいう黄檗の坊さんの書の半折が掛けてあり、天狗の羽団扇のようなものが座右に置いてあった事もあった。セピアのインキで細かく書いたノ....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
ーンの上に現滅するのである。 昨年見た「流行の王様」という映画にも黒白の駝鳥の羽団扇を持った踊り子が花弁の形に並んだのを高空から撮影したのがあり、同じような趣....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばんげ》、この通りでその天狗様にでっくわしてしまった。なあに、鼻も高くはないし、羽団扇《はうちわ》もなにも持っちゃいなかったし、あたりまえの旅人の風《なり》をし....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
て行った。 寝乱した、男くさいベッドのそばをすりぬけて窓のそばへ行くと、天狗の羽団扇《はねうちわ》のような栃の葉繁みのむこうの湖水に船が四、五隻も出て、なにか....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
は本当の天狗だ。天狗にもいろいろあるが、俺のは正札付きの天狗だ。ただし昔話にある羽団扇を持った、鼻の高い、赤い顔の、あんなのではない。普通の人間で、ちゃんと両親....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
とウイスをのみながらだから。……いい加減お察しなさいよ。……こっちの木の葉より、羽団扇の毛でもちっとは増だろうと思うから、お酌をしますとね、(聞け――娘。)と今....
夏目先生の追憶」より 著者:和辻哲郎
あいで大きく映ったのかしらと床柱の側まで行って見ると、そこに掛かっているのはただ羽団扇と円い団扇だけであった。しかし影は格好から、釣合から、どうしてもほんとうの....
山の人生」より 著者:柳田国男
らかに魔界|征服譚の一つであった。今でも落語家の持っている王子の狐、或いは天狗の羽団扇を欺き奪う話などと同様に、だんだんに敵の愚かさが誇張せられて、聴く人の高笑....