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「羽扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

羽扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
怪な伝説が生まれたのだろう。 土人がいろいろの物を売りに来る。駝鳥の卵や羽毛、羽扇、藁細工のかご、貝や珊瑚の首飾り、かもしかの角、鱶の顎骨などで、いずれも相当....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
、連合マリン・サアヴィスのノルマン・レイ氏を見てにっこりした。駝鳥《だちょう》の羽扇《おおぎ》が、倦《けだ》るそうにゆらりと揺れて、香料の風を送る。どうあっても....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
音をたてて居る。その下から夜会服の銀一色が、裳を細く曳いて居る。若し手にして居る羽扇が無かったら、武装して居る天使の図そっくりだ。彼女の面長で下ぶくれの子供顔は....
三国志」より 著者:吉川英治
頭に綸巾をいただき、身には鶴※道栄が悍馬の脚を不意に止めると、車上の人は、手の白羽扇をあげてさしまねきながら、 「それへ来たのは、鉞をよく振るとかいう零陵の小人....
三国志」より 著者:吉川英治
一陣の兵がまんまんと旗を立てて一輛の四輪車を護っていた。 「や。あの車上に坐し、羽扇をもって、わしを招いているのは誰だ?」 張任が、部下へきくと、あれこそ新た....
三国志」より 著者:吉川英治
きなかった。今をおいてその国患を根絶する時はないのだ。孔明は例の四輪車に乗り、白羽扇を手に持って、日々百里、また百里、見るものみな珍しい蛮土の道を蜿蜒五十万の兵....
三国志」より 著者:吉川英治
見れば、旗列を割って、一輛の四輪車が此方へ進んでくる。車上の綸巾鶴※の人も、羽扇をあげて、しきりに呼びかけた。 「姜維姜維。なぜこころよく降参してしまわぬか....
三国志」より 著者:吉川英治
演義」のうちの本文にしばしば見るところの――身に鶴※を着、綸巾をいただき、手に白羽扇を持つ――という彼の風采の描写は、いかにも神韻のある詩的文字だが、これを平易....
山の人生」より 著者:柳田国男
は山人を天狗と思ったという方が正しいのかも知れぬ。天狗の鼻を必ず高く、手には必ず羽扇を持たせることにしたのは、近世のしかも画道の約束みたようなもので、『太平記』....
黒田如水」より 著者:吉川英治
したが」 「官兵衛は生きておるからな。木像では前例にならぬよ」 「綸巾をいただき羽扇をもって、常に三軍を指揮していたという諸葛孔明は、四輪車という物に乗って戦場....