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羽搏く
「羽搏く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羽搏くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春」より 著者:宮本百合子
ている人と結婚したのに、一つ屋根の下に暮して見れば、自分は翔びたくて日夜もがいて
羽搏くし、そのひとは翔ぼうともせず小さい日向で羽交いの間に首を入れるばかりか、私....
「夢と人生」より 著者:原民喜
来る「死」の破片が見えた。その「死」は僕の柔かい胸のなかに飛込んで不安げに揺らぎ
羽搏くのだった。 不安げに揺らぐものを持ったまま僕は、ある日、街の公会堂で行わ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
らであろう。でこの境地はひっそりとなって神田川の水音と水鳥でもあろうその川の中で
羽搏く音が眠い嘉門の眼を誘うてさらさらと聞こえ、はたはたと響いた、大門の鋲が光っ....
「日記」より 著者:宮本百合子
が憐れなる情意は あやしくも 一人の男子に捕われ 今や 飛翔しようと苦しくも
羽搏く。羽搏けども 執縁は絶ち難く 又も地に据えられ 恥多き売物のように ....
「秋深き」より 著者:織田作之助
んた、よう辛抱したはりまんな。えらい人やなあ」 曖昧に苦笑してると、男はまるで
羽搏くような恰好に、しきりに両手をうしろへ泳がせながら、 「失礼でっけど、あんた....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
しい御新造さんの鬢のほつれをかけて、雪の羽がさらさらと動いて、散って、翼を両方へ
羽搏くと思うと、――けけこッこう――鶏の声がしたんですって。」 二人思わず、し....
「フランケンシュタイン」より 著者:宍戸儀一
たちを逐い立てている。そして、ときには、私たちと面を突き合せてポーの大鴉のように
羽搏く。ここに、この作品の不朽の生命があるのであろう。 しかし、日本では、その....