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羽目
「羽目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羽目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
門はしばらくの後《のち》、吐息《といき》をするようにこう云いました。
「もうこの
羽目《はめ》になった上は、泣いても喚《わめ》いても取返しはつかない。わたしは明日....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
めた時、――己は正直に白状する。己が日と時刻とをきめて、渡を殺す約束を結ぶような
羽目《はめ》に陥ったのは、完《まった》く万一己が承知しない場合に、袈裟が己に加え....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ルの上の金貨を元手《もとで》に、どうしても骨牌《かるた》を闘わせなければならない
羽目《はめ》に立ち至りました。勿論友人たちは皆大喜びで、すぐにトランプを一組取り....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
や、たけの低い白楊が、あざやかな短い影を落して、真昼の日が赤々とした鼠色の校舎の
羽目には、亜鉛板やほうきがよせかけてあるのが見えた。おおかた明日から、あとそうじ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
たら、目録を授《さずか》ったはずでございまする。もっともこれは多門にもせよ、同じ
羽目《はめ》になって居りました。数馬と多門とは同門のうちでも、ちょうど腕前の伯仲....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
我我は彼女を愛する為に往々彼女の外の女人を彼女の身代りにするものである。こう言う
羽目に陥るのは必《かならず》しも彼女の我我を却《しりぞ》けた場合に限る訣《わけ》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
午後七時前後の事でございます。私はその時、妻に一切を打明けなければならないような
羽目《はめ》になってしまいました。これもそうするほかに、私たちの不幸を軽くする手....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ば》を付加えるのを忘れなかった。仁右衛門はちょうどそこに行き合せた。彼れは入口の
羽目板《はめいた》に身をよせてじっと聞いていた。
「こうまあ色々とお願いしたじゃ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
悲劇の絶頂が到来した。お前たちの母上は自分の病気の真相を明《あ》かされねばならぬ
羽目になった。そのむずかしい役目を勤めてくれた医師が帰って後の、お前たちの母上の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しの無い、咳の声の聞えるのが、墓の中から、まだ生きていると唸くよう。はずれ掛けた
羽目に、咳止飴と黒く書いた広告の、それを売る店の名の、風に取られて読めないのも、....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
いで、茫然する。 美しい女と若い紳士の、並んで立った姿が動いて、両方|木賃宿の
羽目板の方を見向いたのを、――無台が寂しくなったため、もう帰るのであろうと見れば....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
人の住んでいそうな、引傾いだ小屋に、筵を二枚ぶら下げて、こいつが戸になる……横の
羽目に、半分ちぎれた浪花節の比羅がめらめらと動いているのがありました、それが宿は....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
みの色男の汗を流した顔を見よ。いまうわさしたその窓から、お滝の蝶々髷が、こん度は
羽目板の壊れを踏んで上ったらしい。口まで出た。 「お客様の、ご馳走は。……つかい....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
日の悪用――必ずしも有害とは言わぬ。すべては祭日に処する人間の態度如何にかかる。
羽目を外した昂奮、則を越えた置酒高会、動物的な慾情の満足――人間がこれに走れば、....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
しかしこの“民人同盟会”も、当時の思想界の変動とともに急進派と合理派に分れる
羽目になり、急進派の学生は高津正道氏らを中心に暁民会を作り、暁民共産党に発展した....