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「翌月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

翌月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
父母の金銭を盗もうとした。それでもまだ金の足りない時には巧みに両親の歓心を買い、翌月の小遣いを捲《ま》き上げようとした。就中《なかんずく》彼に甘かった老年の母に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であったので、さし当り七月二十六夜の月待ちには高台や海岸に群集する者もなかった。翌月の十五夜も月見の宴などは一切遠慮で、江戸の町に芒《すすき》を売る声もきこえな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。淀橋の水車小屋が爆発した一件。あれは安政元年の六月十一日の出来事ですが、これは翌月の下旬、たしか二十六七日頃のことと覚えています。 その頃、浅草、仁王門のそ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まいました。いつかあなたに『筆屋の娘』のお話をしたことがありましょう。あれはこの翌月のことで、世間に似たようなことは幾らもあるもんです」....
去年」より 著者:伊藤左千夫
も曖昧であった。三日目にはいけなかった。間の悪いことはかならず一度ではすまない。翌月牝子牛を一頭落とし、翌々月また牝牛を一頭落とした。不景気で相当に苦しめられて....
軍用鼠」より 著者:海野十三
を書くほど恐ろしいことはないのであった。今月彼が一つの探偵小説を発表すれば、この翌月にはその小説が、すくなくとも十ヶ所の批評台の上にのぼらされ、そこでそれぞれ執....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
人魚になった、あの暴風雨は、北海の浜から、潮が迎いに来たのだと言った―― その翌月、急病で斎木国手が亡くなった。あとは散々である。代診を養子に取立ててあったの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たいな、糸七……本名か。」 「まさか――署名は――江戸町河岸の、紫。おなじ雑誌の翌月の雑録さ。令嬢は随。……野郎は雑。――編輯部の取扱いが違うんだ。」 「辛うじ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ので、僕はお島さんから預かっていたハンカチーフを返してやる機会を失ってしまった。翌月のなかばに僕も東京へ帰った。宿を発つときにお島さんは停車場まで送って来て、自....
妖婦」より 著者:織田作之助
ち出して、浅草の十二階下の矢場の女で古い馴染みだったのと横浜へ逃げ、世帯を持った翌月にはもう実家へ無心に来た。父親は律義な職人肌で、酒も飲まず、口数も尠なかった....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
派の禁厭札ではない。去年十月号の本誌の裏絵で、喜多実氏の「葵上」のスケッチ……又翌月号の本誌にその画を通じて、実氏の芸風と奏風氏の筆致をテニスに寄せて皮肉った無....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れていた。しかも中国征伐の軍務が忙しいので、妖女の噂もだんだんに忘れられて、その翌月に秀吉は鳥取にむけて出陣した。 織田信長が本能寺で明智光秀に攻めほろぼされ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
あけに、我が家で、バッタリ倒れたんです。 並木で人の死んだ風説はきかない。……翌月、不意の補助があって、東京へ出ました。」 (すぐにある技芸学校を出たあとを、....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
幸四郎や父の市蔵らと共に歌舞伎座で再演した。 「泉三郎」で思い出されたのは、その翌月、歌舞伎座で再び「泉三郎」を上演するようになったことである。これは在来の「腰....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
希望に輝く青年の死を哀むと同様な限りない恨事である。 (大正十一年七月十六日記、翌月『明星』掲載、大正十三年十月補筆)....