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習作
「習作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
習作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
一様に白緑色で塗り潰されていた。画面も小さく構図も平凡で絵としてはごくつまらない
習作であるが、元来川口亜太郎は、その属している画会のひどく急進的なのに反して、亜....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とにかく、魔法博士デイの隠顕|扉があるほどだからね。この館にそれ以上、技巧呪術の
習作が残されていないとは云えまい。きっと、最初の英人建築技師ディグスビイの設計を....
「嵐」より 著者:島崎藤村
絵を手にしながら、それを私に見せに二階から降りて来た。いつでも次郎が私のところへ
習作を持って来て見せるのは弟のいない時で、三郎がまた見せに来るのは兄のいない時だ....
「分配」より 著者:島崎藤村
のほうから出て来ていた時であった。次郎も兄の農家を助けながら描いたという幾枚かの
習作の油絵を提げて出て来たが、元気も相変わらずだ。亡くなった本郷の甥とは同い年齢....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
し得る舞台が著るしく多くなった。文人は最早非常なる精力を捧ぐる著述に頼らなくても
習作的原稿、断片的文章に由て生活し得るようになった。文人は最早新聞社の薄い待遇に....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
しては、稀に見る力の籠り工合だ。超人の作った傑作――いや、それとも違う……魔人の
習作だ。いや人間と悪魔の合作になる曲面体――それも獣欲曲面体……」 「えっ、何の....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ところで日本では裸婦を描くのに大変不思議な障害が伴って来るのだ、それは画室の
習作とすれば何んでもない事であるが製作となってはやはり何とか、裸婦としての自然な....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
勉強の方法として、これは西洋画に限って裸体を描きます。 それはデッサンや油絵の
習作のためには裸体が、毎日毎日の練習にはもっとも適当であり便利であるためでしょう....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ある。 日本へ渡来する西洋のいい絵や立派な素描の多くは、その諸大家の学生時代の
習作では決してないので、それは雪舟の山水の如く鳥獣戯画の如く、素描それ自身がすで....
「競漕」より 著者:久米正雄
久野のいる追分の素人下宿へ行った。 久野はその時、彼の言葉通りに彼の第三番目の
習作で、かなり大きな戯曲に取りかかっていた。机の上には二人の来たのを見て、急いで....
「作画について」より 著者:上村松園
がそれぞれの時代の勉強からいろいろなかたちで影響されつつ描いた、言わば試作であり
習作であったのですが、幼い頃から漢学、歴史は好き嫌いの別なく自分の修養の世界であ....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
ことをすぐ手前事の仕事へ引いて来るのはいけないかもしれませんが、絵の方で、仕事に
習作・制作の区別を立てます。
習作が先ず概して云う自然写生のもの、制作がそれから離....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ても、私の人間としての義務なのである。 まことに集中の手紙にある久保謙君の処女
習作「朝」の中の「乳母車にのせられた嬰児」が今はこごしく障害と汚染にみちた社会的....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、
疑もなく
あいつも悪魔だ。
北国の芸術家
己が今手を著けるのは
無論
習作に過ぎんのだが、
いずれそのうちイタリア旅行の
支度に掛かるよ。
浄....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
グナッツ・フォン・ザイフリート――『全低音と対位法と作曲法とのベーートーヴェンの
習作』(一八三二年) 〔W. de Lenz.――Beethoven et se....