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「習俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

習俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
それにしても、新しい教育を受け、新しい思想を好み、世事にうといだけに、世の中の習俗からも飛び離れて自由でありげに見える古藤さえが、葉子が今立っている崕《がけ》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の塔を登りつめて行こうとするのだ。 悪いことには、お前のそうした態度は、社会の習俗には都合よくあてはまって行く態度なのだ。人間の生活はその欲求の奥底には必ず生....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は深く迷信に根ざしていた。彼らの全公生活は迷信的な方式で規約されていた。伝統的な習俗を頑固に保守するローマ人には、芸術や科学は感興を刺激することが少なかった。ま....
自叙伝」より 著者:大杉栄
の関係よりも、異性または同性としての関係の方が勝って来た。そしてその関係がへたな習俗的なものになりかかっていた。 例のおげんさんによって夕飯が運ばれた。そして....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
悪魔教ドルイドの宗儀で、祭壇の周囲を太陽の運行と同様に、すなわち、左から右に廻る習俗。 「デシル法※ それを、どうしてまた貴方が……」と臆したように面を曇ら....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
文学を研究して而して後鑑賞するに足らざるが故に軽侮するのではなくて、多くは伝来の習俗に俘われて小説戯曲其物を頭から軽く見ているからで、今の文学なり作家なりを理解....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ば自分の物となる。そうです。実に小判さえ出せば万事万端|己が自由――これが江戸の習俗です。したがってそこには『静粛』もなければ『謙遜』というような美徳もなく、あ....
出奔」より 著者:伊藤野枝
思っている。俺は汝と痛切な相愛の生活を送ってみたいと思っている。もちろんあらゆる習俗から切り離された――否習俗をふみにじった上に建てられた生活を送ってみたいと思....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
つである。而も其間に朝昼夕と三度まで、米を供えて日を拝むとある。(柳田先生、歳時習俗|語彙)又おなじ語彙に、丹波中郡で社日参りというのは、此日早天に東方に当る宮....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
たやすく郷党に容れられ、広く同胞に理解されるには、兄の性行に狷介味があまりに多かった。画一平板な習俗を懸命に追うてただすら他人の批評に気をかねる常道の人々からは、とかく嶮峻な隘....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
をなして自ら仏陀の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの異彩あり。その風物習俗の奇異、耳目を聳動せしむるに足るものなきに非ず。童幼聞きて楽しむべく、学者学....
西航日録」より 著者:井上円了
ただ流光の波間に躍るを見るは、また無限の趣あり。船中にはインド人の乗客多し。その習俗として、鬚髭を刈るにかみそりを用いず、毎日毛抜きをもって抜きおるを見る。これ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
るものと信じておるらしい。(下略) 西洋の風俗にも長所と短所とがあり、わが国の習俗にも長短があるが、その要は、かれの長を取りてわが短を補うようにせねばならぬ。....
革命の研究」より 著者:大杉栄
のは変化する。動かないように見える岩も、大陸も、またそこに住んでいるものも、その習俗も、その習慣も、その考えも、われわれがわれわれのまわりに見るところのものは、....
遠州地方の足洗」より 著者:喜田貞吉
もののみは取り残されるに至ったのである。しかるに遠州の或る地方には、かかる厳重な習俗の行われた時代にも、なお「打上げ」と称して、足洗いの出来る道が設けられておっ....