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習字
「習字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
習字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
井左門《ひらいさもん》と云う浪人《ろうにん》である。左門は長窪の子供たちに読書や
習字を教えながら、請うものには北辰夢想流《ほくしんむそうりゅう》の剣法も教えてい....
「星座」より 著者:有島武郎
治だということを知ると、毎晩家事が片づいてから農学校の学生に来てもらって、作文、
習字、生理学、英語というようなものを勉強し始めた。そして三月の後には区立病院の産....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
員室の前を通ると、背後むきで、丁寧に、風呂敷の皺を伸して、何か包みかけていたのは
習字の教師。向うに仰様に寝て、両肱を空に、後脳を引掴むようにして椅子にかかってい....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
学問 僕は小学校へはいった時から、この「お師匠さん」の一人|息子に英語と漢文と
習字とを習った。が、どれも進歩しなかった。ただ英語はTやDの発音を覚えたくらいで....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
のあばれものであったのだ。僕はその日の帰り路があぶないと思った。そしてひそかに、
習字の紙の圧えにする鉄の細長い「けさん」というのを懐ろに入れて、何食わん顔をして....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
業の時間割も先ず一定していたが、その教授の仕方は受持教師の思い思いと云った風で、
習字の好きな教師は
習字の時間を多くし、読書の好きな教師は読書の時間を多くすると云....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
毎朝、この文字を三十二へんぐらいも、習うのである。 字が上手になるためのお
習字かと思うと、そうばかりではない。いや、はっきりと一郎の気持をいうと、字のうま....
「空襲警報」より 著者:海野十三
心配はない。 その次は、畳をあげて、床板の隙間に眼張をはじめた。兄弟三人ともお
習字の会に入っていたので、手習につかった半紙の反古がたくさんあったから、これに糊....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
う好もしいものでしょう。 ○繕った靴下でも穿くときは皺の寄らないように。 ○「お
習字、生花、お琴、おどり――こういうものに却ってモダニティを感じ、習い度いと思う....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
上げてみましょうか――時代が時代ゆえ、教育はもう至って簡単なもので、学問は読書、
習字、又歌道一と通り、すべて家庭で修めました。武芸は主に薙刀の稽古、母がよく薙刀....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
。 最後に私の手には一通の手紙が残った。それは私の書いたもので、私が五十年前に
習字の先生の言葉を書き取ったものだ。 その手紙にはこうあった、 ボクノ 大スキ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
こと加奈子は萩の餅を持ってお京さんの家を訪ねた。お京さんはテーブルの上で万年筆で
習字をして居た。女学校で使った横文字の古い
習字の手本が麻のテーブル掛けの上に載っ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
であっても武家奉公をし、医を志した馬琴である。下駄屋の入夫を嫌って千蔭に入門して
習字の師匠となった馬琴である。その頃はもう黄表紙時代と変って同じ戯作の筆を執って....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
日古い反古を整理していたら、亡き母が若い頃書いた玉露の値段表が出て来た。 母は
習字のほうは相当やっていたので、なかなかの達筆でかかれてあった。 一、亀の齢 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
なる人常にの給ひき。 六歳のころ父なる人自ら手本をものして取らし給ひつ。されど
習字よりは画を好みて、夜は常に木偶の形など書き散らして楽みしが、ただみづから画く....