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習癖
「習癖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
習癖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
かった。鼠いろのスプリング。細長い帝国大学生。背中を丸くして、ぼんやり頬杖をつく
習癖がある。自殺しようと家出をした。そのような記事がいま眼のまえにあらわれ出ても....
「人間失格」より 著者:太宰治
議の声が起っても、しかし、また、いや自分が悪いのだとすぐに思いかえしてしまうこの
習癖。 自分には、どうしても、正面切っての議論が出来ません。焼酎の陰鬱な酔いの....
「新生」より 著者:島崎藤村
えていたこともある。過ぐる年の冬の寒さも矢張りこの神経痛を引出した。私が静坐する
習癖は――実は私はそれでもって自分の健康を保つと考えているのだが、それが反《かえ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
を楽しむ流行の人形だった。喫煙の楽しみを法令で禁ぜられた国民が、これに代る楽しき
習癖として近頃発見したものだった。 「君はこの頃、僕が嫌いになったんじゃないか」....
「愛と美について」より 著者:太宰治
をせっせと拭きはじめた。これは、長女の多少てれくさい思いのときに、きっとはじめる
習癖である。 次男が、つづけた。 「どうも、僕には、描写が、うまくできんので、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
たる綾であり、模様であり、両者を切り離すことは、到底不可能である。就中畏るべきは
習癖の惰力である。
習癖は深く魂の中に喰い入りて、しばしば個性の主要部となるに至る....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
あるほど悲しむべきことはない。ましてそれは早期の童貞喪失を伴いやすく、女性を弄ぶ
習癖となり、人生一般を順直に見ることのできない、不幸な偏執となる恐れがあるのであ....
「佳日」より 著者:太宰治
た。けれども、それは決して大隅君の本心からのものではなかった。ほんの外観に於ける
習癖に過ぎない。気の弱い、情に溺れ易い、好紳士に限って、とかく、太くたくましいス....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
、馬鹿馬鹿しい誇張と思われるほどであろう。法律家という智的職業階級も、その大酒の
習癖にかけては、確かに他のいかなる智的職業階級にもひけを取らなかった。また、もう....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
は、われわれの歴史の半ばから必然的に発生し、身につけた、社会的な、同時に心理的な
習癖のケイレン的発作にあると云つてよい。その
習癖は、第二の天性素質とみなせばみな....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
会得させる一方法になるのですが、それと同時に、コポオは、この機会に、好んで職業的
習癖の表現について面白い注意を与えました。軍人、僧侶、庄屋、仕立屋、カフェの給仕....
「笑について」より 著者:岸田国士
。この滑稽の要素の中には次のようなものがあると思います。 第一は、勿論、職業的
習癖であります。知らず知らず、職業のくせが身についている。その中には、又、職業的....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
独がたった一つの慰めだった――深い、暗い、死のような孤独が。 父は、私の気性や
習癖の眼に見える変化に苦しみ、自分の清らかな良心と罪を知らぬ生活の感情から引き出....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
屋久島というように。私も昔から、どういう因果か、山で遊んでいると、ダムを思いだす
習癖があった。湯河原の奥に広河原という温泉場がある。宿屋は三軒しかない。二本の谷....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
籍に児童を紹介し善良の文学に対する趣味を獲得せしめ、最も読み甲斐あるものを読むの
習癖を馴致するよう児童を補導し自学自修の国民を養成するに在りとし学校の作業上並に....