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「翕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

翕の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
されてから、微かな苦笑を洩されたまま、なんとも言葉はなかった。家中一同の同情は、然《きゅうぜん》として死んだ二人の武士の上に注がれた。「さすがは武士じゃ。見事....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
えんこんつうふん》の音《おん》だ。それもそのはずさ昔は一人えらい人があれば天下|然《きゅうぜん》としてその旗下にあつまるのだから、愉快なものさ。こんな愉快が事....
運命」より 著者:幸田露伴
為し、髪を削って尼となり、教を里閭に布く。祷には効あり、言には験ありければ、民|然として之に従いけるに、賽児また饑者には食を与え、凍者には衣を給し、賑済するこ....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
せっしやくわん》して口惜しがったが、やがでその忿懣《ふんまん》は非難に変わって、然《きゅうぜん》とパッカアの上に集まった。無理もないが、なかには口惜しさのあま....
少年探偵長」より 著者:海野十三
の壺でございます」 と、見れば円型をなした室内の正面には、大きな十字架をかけたがあり、そののまえには、聖壇がつくってあり、その聖壇のうえに黄金の壺がおいて....
獏鸚」より 著者:海野十三
インコである。おのおの形態を比較するに、まずセキセイインコについて云えば、頭及びは黄色で……」 「わ、判ったよ。君の動物学についての造詣は百二十点と認める――....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
)技術的イデオロギーの殆んど凡ての部門――単に道徳や哲学自身だけではない――が、然として宗教の門へ向って集中されつつあるのが事実で、ここにこそ現代に於ける「宗....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
売り、絵葉書屋、煙草屋、両替屋、首飾屋、指輪屋、更紗屋、手相見、人相見のやからが然と集合して来て、たちまち身動きが取れなくなる。街上をあるいていてさえ、どこか....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
色で、眼のまわりには白い輪がある。冬羽は、耳羽だけに暗褐色の斑点があって美しい。の下両覆に灰色の羽が生えていて、冬は嘴と脚が深紅の色を現わし、白い羽に対して目....
カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
して右はこれら景仰せられた一流学者のしたことでもあるので、その後多くの学者はみな然《きゅうぜん》としてその説に雷同し、杜若はヤブミョウガであるとしてあえてこれ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
道がないように思っていた天下の青年はこの新らしい世界を発見し、俄に目覚めたように然として皆文学に奔った。美妙や紅葉が文学を以て生命とする志を立てたのも、動機は....
四十年前」より 著者:内田魯庵
帰る桃太郎の舟のように歓迎された。これ実に新興文芸の第一声であって、天下の青年は然として文学の冒険に志ざした。 当時の記憶は綿々として憶浮べるままを尽くいお....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を仇と狙って永年辛苦している者は、もう六十路をこえた老婆だと聞えたので――同情は然としてその年寄にあつまり、武蔵には反対なものが、御採用という機会に、一時に現....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
私にはまだその能が無いが、とにかくに或る一人の優れたる師家が指導すれば、たちまち然として時代の風をなすまでに、貞享・元禄の俳感覚は活き活きとしていた。それが後....