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翼
「翼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
翼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
籠を吊した枝には、容易に指さえとどこうとしない。文鳥は気でも違ったように、小さい
翼《つばさ》をばたばたやる。その拍子《ひょうし》にまた餌壺《えつぼ》の黍《きび》....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
人間と云うよりも、あの智羅永寿《ちらえいじゅ》の眷属《けんぞく》が、鳶《とび》の
翼を法衣《ころも》の下に隠しているのではないかと思うほど、怪しい姿に見うけられま....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ら》の羽音《はおと》よりほかはなかった。薔薇の匂《におい》、砂の湿り、――一切は
翼のある天使たちが、「人の女子《おみなご》の美しきを見て、」妻を求めに降《くだ》....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
近づこうとした。すると行長の宝剣はおのずから鞘《さや》を離れるが早いか、ちょうど
翼《つばさ》の生えたように金将軍《きんしょうぐん》の方へ飛びかかって来た。しかし....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
《しょうしょう》はどうするでしょう? わたしは少将と約束しました。天に在っては比
翼《ひよく》の鳥、地に在っては連理《れんり》の枝、――ああ、あの約束を思うだけで....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
か。
が、中でも一番面白かったのは、うすい仮綴《かりと》じの書物が一冊、やはり
翼のように表紙を開いて、ふわりと空へ上りましたが、しばらくテエブルの上で輪を描い....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
えた石の色に近い水鳥だった。僕は格別その水鳥に珍しい感じは持たなかった。が、余り
翼などの鮮かに見えるのは無気味だった。――
――僕はこう言う夢の中からがたがた....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
掬《すく》い上げながら、食えと云う所を見た事がある。また大天使がぶりえるが、白い
翼を畳んだまま、美しい金色《こんじき》の杯《さかずき》に、水をくれる所を見た事も....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
とく、どこまで行っても浪《なみ》を立てていた。時々|夜鳥《よどり》がその中から、
翼に薄い燐光《りんこう》を帯びて、風もない梢《こずえ》へ昇って行った。……
明....
「少年」より 著者:芥川竜之介
艘《なんそう》も浮かべている。長い煙を空へ引いた二本マストの汽船も浮かべている。
翼の長い一群《いちぐん》の鴎《かもめ》はちょうど猫のように啼きかわしながら、海面....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
時は痒《かゆ》いと思ったのに違いないのだ。」
或左傾主義者
彼は最左
翼の更に左
翼に位していた。従って最左
翼をも軽蔑《けいべつ》していた。
無....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
と突然幻は誰も見たことのない獣を一匹、入り日の光の中に現じ出した。獣は獅子に似て
翼を拡げ、頭を二つ具えていた。しかもその頭の一つはシバの女王の頭であり、もう一つ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
部屋に前の短篇を書きつづけている。真夜中の廊下には誰も通らない。が、時々戸の外に
翼の音の聞えることもある。どこかに鳥でも飼ってあるのかも知れない。 二....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
もので、ときたま村の人たちが見かけるときには、夜の闇のなかを疾走し、あたかも風の
翼に乗っているようだということだ。その亡霊のあらわれるところは、この谷間だけに限....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
を思い出した。この寺には何でも司馬江漢や小林平八郎の墓の外に名高い浦里時次郎の比
翼塚も建っていたものである。僕の司馬江漢を知ったのは勿論余り古いことではない。し....