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「老いさらぼう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老いさらぼうの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
細木香以」より 著者:森鴎外
わたくしは葭簀の中に這入った。家の内はもうほとんど真暗である。瞳を定めて見れば、老いさらぼうた翁媼が蹲っている。家も人も偶然開化の舌に舐め残されたかと感ぜられる....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
行く人非人よッ、耳は持たぬのかっ」 当然、武蔵にそれが聞えていないわけはない。老いさらぼうた老婆とはいえ、死を覚悟した跫音もすさまじい。 背を向けたまま、武....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
みた。 自分の寝首を狙いに来た首謀者が、吉岡の遺弟でも、この山の堂衆でもなく、老いさらぼうた同郷の友の母であったことは、彼にも意外であったとみえる。 「ああ、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
間に鬼はないというが――ほんに小次郎殿といい、半瓦の身内の衆といい、わしのような老いさらぼうた者を、ようして賜もる志……何というてよいやら。これも観世音の御庇護....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
でいるのか」 「生きているというのも名ばかり、まるで、うつせみを脱けた蛾のように老いさらぼうておりまする」 「道理で、この柵の中から上は陰森としているな」と、そ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
わせる約束。 孫兵衛にしても木の股から生れた男でない以上、川島へ帰ってみれば、老いさらぼうた祖父だとか、顔を知らない甥だとか、麦畑でねじ伏せた女だとか、古い記....
山の人生」より 著者:柳田国男
あった。三十何年を過ぎて或る時親類知音の者が其処に集まっているところへ、きわめて老いさらぼうてその女が戻ってきた。どうして帰ってきたのかと尋ねると、あまりみんな....
軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
、横文字の間に現われているのである。 若くて美しくて、しかし、神経質の浮舟は、老いさらぼうた尼僧と同じ部屋に寝起きをした。それ等の皺くちゃの、よぼよぼの尼達は....