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老ゆ
「老ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
から捕捉するなら娘がいったいくたたびか迎える辛くも新鮮な青春、かくて遂《つい》に
老ゆることを知らずして苦しくも無限に華やぎ光るいのち。娘にしたらこれをこう生活と....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ば※は虎属らしい、『本草綱目』に※は胡地の野犬状狐に似て黒く身長七尺頭に一角あり
老ゆれば鱗あり能《よ》く虎豹蛟竜銅鉄を食う猟人またこれを畏るとある、インドにドー....
「道草」より 著者:夏目漱石
れどもその方針によって前《さき》へ進んで行くのが、この時の彼には徒《いたず》らに
老ゆるという結果より外に何物をも持ち来《きた》さないように見えた。 「学問ばかり....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
。疲れてもやめえぬ戦いを持続しながら、※然《けいぜん》として独《ひと》りその間に
老ゆるものは、見惨《みじめ》と評するよりほかに評しようがない。 古臭い愚痴《ぐ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、兄の非行を見るに見かねて、数十里の遠いところへ立ち退いてしまった。程もだんだん
老ゆるにしたがって、自分の非を悔むようになったので、本当の薬を作ることをやめて、....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
座の幻影」のフィルムははたしていつまで続くかこればかりはだれにもわからない。人は
老ゆるが自然はよみがえる。一度影を隠した銀座の柳は、去年の夏ごろからまた街頭にた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
気を蔽《おお》うとあるから、そんな結構な時代の人もやはり臭い糞は垂れるのだ。人民
老ゆれば自然に樹下に往き、念仏して静かに往生し、大梵天や諸仏の前に生まる。その時....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
も否定するとき人間はもはや鬼である。すでに人間としての性質を失えるものである。年
老ゆるごとにいよいよ深くこの世の悪を知り、しかもいよいよ高きところに光を求めた親....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
物その他の変革から従来の体質を漸次一変して性交の欲望を自発し、併せて男子と斉しく
老ゆることも遅くなるであろうか。最後に述べて置く、自分の貞操は男子――良人の貞操....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
(巻五・八八六)といったのは、此歌を学んだものであろう。なお、「黒髪に白髪まじり
老ゆるまで斯る恋にはいまだ逢はなくに」(巻四・五六三)という類想の歌もある。第二....
「青春論」より 著者:坂口安吾
ったもので、昨日の和歌は自分の作、新古今だか何かに載っているものである。自分は年
老ゆると共に、若かった頃の美貌が醜く変って行くのに堪えられぬ苦しみを持つようにな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ロクされたとは思われぬが、年のせいか、どうも夕食すぎはにぶっておられる。キリンも
老ゆれば虎に及ばずか」 虎之介はシャレにならないことを呟きながら、ブリブリして....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
的境遇より退《しりぞ》かせて、心的境遇に入らしむることも、これまた麒麟《きりん》
老ゆるも駑馬《どば》に劣るに至らざる工夫《くふう》。木は根あればすなわち栄え、根....
「三国志」より 著者:吉川英治
かったことを、その肝腎な晩節の時へきてみずから暴露していることだった。――英雄も
老ゆればまた愚にかえるか、と長嘆直言した良臣も、いまは多く九泉の下へ去っている。....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
以後の生死も不明と伝わるや、この自髪の老鶴は、 「一族郎党の浮沈、正に今に迫る。
老ゆればとて黒田宗円、やわか、この家門の滅亡を坐して視るべき」 と、二十年前の....