老体[語句情報] »
老体
「老体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
後、住持三要は、間違いがあってはならぬというので、淵の鯉魚へ生飯を遣《や》る役は
老体ながら自分ですることにしました。そこで淵の鯉魚は、再び、斎の鐘を聴くと寺前の....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
別れとやらかそうぜ」 「おお大分遅くなった。では俺等は帰るとしよう。左様ならばご
老体」 「もうお帰りか、復の逢う瀬」 「アッハッハッハッ芝居がかりだ。だが爺さん....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ています」 「ああ、それじゃ違う。赤見沢博士は確《たし》か本年六十五歳になられる
老体《ろうたい》なんですからね」 「それはお気の毒」 と課長はいって、事件引継....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
発した。寅吉老人は「雪の山を見に行けるところまでついて行く」といって、六十二歳の
老体を運んできた。総勢七人となった。荷物は大部分人夫に背負って貰って、今はわずか....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
親仁が、一人でない、薪雑棒、棒千切れで、二人ばかり、若いものを連れていた。 「御
老体、」 雪叟が小鼓を緊めたのを見て……こう言って、恩地源三郎が儼然として顧み....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
て、ひらりと翻った。古今の手練、透かさぬ早業、頭を倒に、地には着かぬ、が、無慚な
老体、蹌踉となって倒れる背を、側の向うの電信柱にはたとつける、と摺抜けに支えもあ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、お煩いなさって可いものでござります。病みつきましたのは、雪にござった、独身の御
老体で。…… 京阪地の方だそうで、長逗留でござりました。――カチリ、」 と言....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
でした。ハンナと医者しか、その重態であることを知りませんでした。ローレンス氏は、
老体なので、病人を見舞うことは許されませんでしたから、すべてハンナが一人でやりま....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
の一節を書換たものであるが此時は既に九郎右衛門は七十一歳になっていたそうで、其の
老体を持ちながらそれ程の働きの出来た所を見ると、確かに居合は名人であったらしい。....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
ついては弓之助頼みがある。これから大至急谷中へ行き、大岡侯の下屋敷へ伺候し、その
老体と面会し、もっと詳しく銅銭会のことを、聞き出して来てはくれまいかな」 「はい....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
として、襖絵の揮毫に大場学僊を煩わした。学僊は当時の老大家である。毎朝|谷中から
老体を運んで来て描いてくれた。下座敷の襖六枚には蘆に雁を雄勁な筆で活写した。雁の....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
師という事。それが数年前からこちらへ来て、黒姫山中に珍奇の薬草を採集する目的で、
老体ながら人手を借りず、自ら不思議な住居を建て、隙さえあれば山野の中にただ一人で....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
夏の夕を染めたる中へ、紗であろう、被布を召した白髪を切下げの媼、見るから気高い御
老体。 それともつかぬ状で座敷を見入ったが、 「御客様かい、貴方御免なさいよ。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
中に髯のある立派な紳士が、一公職の名のりを上げた。 「この中には、藩侯御一門の御
老体も見えておられる。私も、武士の血を引いておりますぞ。さ、おいで下さい。」 ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ったわ。そこへ、いまじゃ流行らないけれども割安の附木ほどの名刺を出すと、錺職の御
老体、恐れ入って、ぴたりとおじぎをする時分には、ついて来た、羽織なしで袴だけの下....