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「老僧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老僧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
とあってね、男には、青頭とか、文字兵衛《もじべえ》とか、十内《じゅうない》とか、老僧とか云うのがある。」Kは弁じて倦まない。 「女にもいろいろありますか。」と英....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
あがって覗くと、うす暗い堂の奥には黄色い灯が微かにゆらめいて、堂守《どうもり》の老僧が居睡りをしていた。千枝松は僧をよび起こして、たった今ここへ十四、五の娘が参....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
のであった。 実之助は、これぞ正しく宇佐八幡宮の神託なりと勇み立った。彼はその老僧の名と、山国谷に向う道をきくと、もはや八つ刻を過ぎていたにもかかわらず、必死....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と照らしていた。 徳法寺をたずねて住職に逢うと、住職はもう七十くらいの品のいい老僧で、半七の質問に対して一々あきらかに答えた。徒弟の善周は船橋在の農家の次男で....
仇討三態」より 著者:菊池寛
衆ではなく、役僧であることがすぐ分かった。半町ばかり後からついて行くうちに、彼は老僧の着ている作務衣に気がついた。老僧の作務衣は、その男が在俗の時に着た黒紋付の....
食魔」より 著者:岡本かの子
加えた。ふと幼いとき、夜泣きして、疳の虫の好く、宝来豆というものを欲しがったとき老僧の父がとぼとぼと夜半の町へ出て買って来て呉れたときの気持を想い出した。鼈四郎....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いった。高源寺住職の祥慶は六十余歳で、見るから気品の高そうな白髪まじりの眉の長い老僧であった。祥慶は二人を書院に案内させて、丁寧に挨拶した。 「どなたもお役目御....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、今までの金貨や銀貨と同じように、これも音を立てませんでした。 それから、かの老僧はカトリーヌ・フォンテーヌの前に立ち停まったので、カトリーヌは懐中を探りまし....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
している。老侍女は縁で髪を梳きかけている。隣の庵室には上手を向いて老いさらばった老僧が眼を瞑って端座している。虫の声。) 老侍女(髪を梳き終って道具を片付けなが....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
。 一方、祇園の四郎兵衛の茶屋の女中たちは互いに噂をし合っていました。 「あの老僧たちは何という腕のある人達だろう。たった一時にしろ、あんなに人をしみじみした....
子供の霊」より 著者:岡崎雪声
った。住職の老人には私は平時も顔馴染なので、この時談の序に、先夜見た談をすると、老僧は莞爾笑いながら、恐怖かったろうと、いうから、私は別にそんな感も起らなかった....
迷信解」より 著者:井上円了
、自ら語るに、『山伏に誘われて、筑紫の安楽寺という所の山中へ行き、八十歳あまりの老僧に面会したり。この老僧がおもしろきものを見せるといわれ、頼もしく覚えて見てお....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
わざわざ人をインドの方へ派遣された。今ダージリンのグンパールの寺に居らるる蒙古の老僧セーラブ・ギャムツォ師もやはりその派遣者の一人であります。その外にも同尊者の....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
かった両親も、あまり少年の必死な望みにとうとう我を折った。村の松蔭寺で単嶺という老僧を師匠に頼んで、岩次郎を剃髪させた。これに較べて私は十五歳の娘時代は何にも思....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
とか、余程穿ったところまで書いてあるのである。この書は表面日蓮遺弟の、いわゆる六老僧なるものの連名著作となっておって、しきりに日蓮の聖徳を讃嘆したげに見せかけな....