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老優
「老優〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老優の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
でいて、三味線箱も隅の方においてあった。ごちゃごちゃ小物の多い仏壇に、新派のある
老優にそっくりの母の写真が飾ってあったが、壁に同じ油絵の肖像も懸かっていた。小夜....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
なるから、だんだん旨めえ物がなくなっちまあ。こんなべら棒な話ってあるかい。」と、
老優|市村羽左衛門《いちむらうざえもん》が憤慨したのも、西欧の文人フランスが嘆い....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
っている物語の背景の大きさというハンディキャップを持っている。その上に主役となる
老優の渋くてこなれた演技で急所急所を引きしめて行くから、おそらくあらゆる階級の人....
「十年後の映画界」より 著者:渡辺温
させました。云わば我々の会社の精神を宣伝するための映画のようなもので、それにこの
老優のうらぶれた芸があまり今の見物にはピッタリしなかったと見えて大して受けなかっ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
で欠勤した。それから更に烏兎《うと》匆々と過ぎて大正三年になって、市川眼玉という
老優が東京へ来た。それが昔の市十郎だと聞いたので、行って見た。彼は石川五右衛門を....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
の座を、どうかして引き立たせようと、思ったのだろう、五十に手の届きそうな道化方の
老優は、傍に坐っていた二十を出たばかりの、野良帽子を着た美しい若衆方を促し立てな....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
長老も矍鑠としています。いわゆる「平馬返り」ではないにしても、年八十を越えたこの
老優が実盛物語の瀬尾で落入りにトンボを切る(でんぐる返しを打つ)のは、悲壮です。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
づきであった。前後では足かけ十四年の月日を隔てているので、私たちの眼からみると、
老優いよいよ頽老、まったく昔日の生気を欠くの感があったが、世間の人気はそれと反対....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
風しばしば義太夫の妙味を損せしむるに比較し、宮戸座《みやとざ》あたりに余命を保つ
老優の技を見れば一挙一動よく糸に乗りをりて、決して観客を飽かしめざる事を経験し、....