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「老先生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老先生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自叙伝」より 著者:大杉栄
のが、その常連だった。虎公と杉浦とは僕よりも一年上の級だったが、近所の柴山という老先生の私塾に通っていたので、虎公が杉浦を連れて来たのだった。谷は僕よりも一年下....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
と窓の葦簾張りから覗いている貝原に見せた。 「結構ですなあ。さあ出かけましょう。老先生には許可を得てますよ」 小初は電燈を消して、洲の中の父の灯をちょっと見返....
遺書」より 著者:尾崎秀実
よろしくお伝え下さい。 昭和十九年七月二十六日 尾崎秀実 頓首再拝 竹内老先生 玉案下 追白、一番暑熱の必要なこの頃、この涼しさはお米のことが心配になります。....
運命」より 著者:幸田露伴
如し、喧啾たる百鳥の中、此の孤鳳皇を見る、いかんぞ喜びざらんと。凝重穎鋭の二句、老先生|眼裏の好学生を写し出し来って神有り。此の孤鳳皇を見るというに至っては、推....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
先師稿本の類が伊那の方に移されたことを聞いたあとで、さらに話しつづけた。 「さぞ老先生(鉄胤のこと)も御安心でございましょう。」 「なにしろ、王政復古の日が来た....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
水から上げて先生の道具と一緒に肩にかけ、程遠からぬ富岡の宅まで行った。庭先で 「老先生どうかしたのか喃」と老僕倉蔵が声を潜めて問うた。 「イヤどうもなさらん」 ....
初恋」より 著者:国木田独歩
なかったかもしれない。 しかるにある日のこと、僕は独りで散歩しながら計らずこの老先生の宅のすぐ上に当たる岡へと出た。何心なく向こうを見ると大沢の頑固老人、僕の....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
は十分でした。その人の称号と服装はそれによくつりあっていました。多分、これは村の老先生というやつにちがいない。よくユラン(ユットランド)地方でみかけるかわりもの....
女難」より 著者:国木田独歩
でございます。 それですから自然と若い者の中でも私が一番巧いということになり、老先生までがほんとに稽古すれば日本一の名人になるなどとそそのかしたものです。その....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
「血を吐くという意味があるか、どうかは知らないがたしかに秀歌だ」 次は女学校の老先生がはにかみながら発表した。 「たく縄のながき命を欲しけくは絶えずて人を見ま....
火の扉」より 著者:岸田国士
のおやじは、こゝで幾多の傑作をものした。おれは、かつての少年の日を思い出す。江原老先生は、そのへんで静かにのみで鶏を追いまわしていたのである。今日、彼は、おやじ....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
新研究発表と時を同じゅうして、これも極めて偶然に、従来の再建論者の巨頭だった小杉老先生が、両君の発表とは没交渉に美術院において、その得意の再建論を講演せられたの....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
してながらえているものの中には、 えらい熱を煩っていたのを、 お亡くなりになった老先生様が、 あぶない際になってから、直して助けて下さりました。 その時分先生様....
空晴れて」より 著者:小川未明
ちは、すべて去ってしまって、学校の中は、空き家にも等しかったのです。教員室には、老先生が、ただ一人残って、机の上をかたづけていられました。 「小田くん、すこし、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
とになりやしないか。漢法では全的に見るのだ。むしろ直覚的にだね。僕の知っているH老先生なぞは、患者の顔色を見ただけで投薬してしまう。病気の器が面前にあるのだ、何....