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老友
「老友〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老友の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
以来勢い微《かす》かなりし太陽が春季に至ってまた熾《さか》んなるを表示したのだ。
老友マクマイケル言いしはドイツでは村人この日兎を捕え殺して公宴を張る所多しと。大....
「新生」より 著者:島崎藤村
た。とかく季候は雨勝ちであったが、幸いに日も輝いて来たと書いてよこした。あなたの
老友よりともしてよこした。
八十二
思いがけない人の心を読....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
蔵も父の名代として、いろいろとあと始末をして来た。ちょうど吉左衛門は上の伏見屋に
老友金兵衛を訪ねに行っていて、二人|茶漬けを食いながら、話し込んでいるところだっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
店座敷の障子には次第に日が影って来た。半蔵の家では、おまんの計らいで、吉左衛門が
老友の金兵衛をも招いて、妻籠へ行く子を送る前の晩のわざとのしるしばかりに、新蕎麦....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
…」 隣室の吉左衛門は容易に目をさまさない。めずらしくその裏二階に迎えたという
老友金兵衛との長話に疲れたかして、静かな眠りを眠りつづけている。 その時、母屋....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
きる醜さにも想い到ったが、天才の真似をし損いたくもなかった。そんな時生活の裕かな
老友の書斎にいると、心境と環境がまるで異っているだけに、いくらか気分が落ちつくの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
してること(それは批評界によく行なわれてる方法であるが)、それを彼は知っていた。
老友のクンツが今日の午後もまたひどい嘘《うそ》を言ったこと、も一人の友のポットペ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も落ち着けなかった。彼はドイツから言わば脱走してきて、ドイツへ帰れない身であり、
老友シュルツがあこがれてるあの十八世紀の偉大なドイツ人らがもっていたヨーロッパ的....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
苦労しながら、有名になっていながら、まだ物質的困窮の煩いから脱し得ないでいるこの
老友にたいして、彼女はやさしい憐《あわ》れみの念でいっぱいになった。そしてまた同....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
でその信ずる所を変えなかった。今や報わるるところ少なく、戦い疲れて病いに臥すこの
老友に対し、私は特に責任の大なるを感ずるのである。 人のために善しと信じてした....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
ながりがあったのかも知れぬ。 ある日私が、縁先で蝗を串にさしていると、隣村から
老友がやってきた。しばし私の手先をながめていたが、蝗などという気品の卑しい虫は食....
「しゃもじ(杓子)」より 著者:佐藤垢石
二、三日前、隣村の
老友が私の病床を訪れて、例の「しゃもじ」がまた出たという。 貴公が、出あったの....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
て、アルセニエフの口中に沁みわたる美味を想像していたのであるが、今回ははからずも
老友のおかげで麋鹿の焙熱にめぐり会ったわけである。 「君、それは指でつまんで食う....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
走するの芸当しか知らなかったのは、返す返すも残念である。 さて、昔の若き友人は
老友となって、私の病床を慰めながら語るに、僕の村の一青年が、数日前の夜、この村に....
「三国志」より 著者:吉川英治
も見つかって、あとを尾行られてはならぬと、日頃、詩文だけの交わりをしている風雅の
老友を先に訪ね、わざと深更まではなしこんで、夜も三|更のころ気がついたように、 ....