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老大
「老大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
はなれないのだ。 四月十六日。 山野の「邂逅」がまた評判がいい。ことに文壇の
老大家たるK氏が、あいつの「邂逅」を激賞したという噂を、新聞で読んだ時、俺はもう....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
評判の悪い方ではなかった。兵卒などははきはきした中尉の命令に快く従った。司令官の
老大佐も、中尉のことを悪くは思っていなかった。ただゼラール中尉には、不思議なこと....
「世相」より 著者:織田作之助
若い娘の屍体が横たわっているという風景も、昨日今日もはや月並みな感覚に過ぎない。
老大家の風俗小説らしく昔の夢を追うてみたところで、現代の時代感覚とのズレは如何と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 歴史小説の
老大家T先生を赤坂のお宅に訪問して、江戸のむかしのお話をいろいろ伺ったので、わた....
「旧作」より 著者:上村松園
齢に適した絵であれば、それで十分に尊いものであるのです。 十五歳にして七十歳の
老大家のような枯れた絵をかいたら、それこそおかしいし、そのような絵は、無価値であ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あった。 先ず客を招く準備として、襖絵の揮毫に大場学僊を煩わした。学僊は当時の
老大家である。毎朝|谷中から老体を運んで来て描いてくれた。下座敷の襖六枚には蘆に....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
顧みて日本の文壇を考えると、今なお無気力なオルソドックスが最高権威を持っていて、
老大家は旧式の定跡から一歩も出ず、新人もまたこそこそとこの定跡に追従しているので....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
れたものでした。それで、この日は楳嶺、鉄斎、景年、それから内海吉堂、望月玉泉等の
老大家や、その頃まだ若かった栖鳳、春挙という人々が集まってこの参考品を鑑賞したも....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
催笹川の左側には、出版屋から、特に今晩の会の光栄を添えるために出席を乞うたという
老大家のH先生がいる。その隣りにはモデルの一人で発起人となった倉富。右側にはやは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は深く心を打たれた。そして、なかの幾人かは、他日にいたって、畏れと驚きとともに、
老大蔵卿(バアリイ)が示した予言的お題目を思いだしたであろう。 みんな自分を誤....
「西航日録」より 著者:井上円了
。大廈のまさに覆らんとするや、もとより一柱一木のよく支うるところにあらざるなり。
老大国の前途、絶望の観なきあたわず。ああ中原の鹿、またなにびとの手にか帰せん。東....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に相並んで場所を占めるようになったということであった。もちろんまだ稚かった日本が
老大支那の文物に触れはじめたのは、恐しく早い昔からであった。漢字漢文を理解し得た....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
な作品の中の一つに、「知られざる傑作」というのがあります。 「一人の独身の絵画の
老大家が巴里に住んでいました。十年近くもかかって大作を描き上げているという評判が....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
いる、いる、いる、 無数の廃残者、 海中の遁走者、膃肭獣、 弱者、負傷者、
老大獣、 力尽き溺るるもの、波とともに盛りあがる、死屍、腐爛した頭。 再び跳....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
するのは、自由主義国家と全体主義国家の戦争準備に対する能力の驚嘆すべき差である。
老大富裕国英仏が、戦後の疲れなお医し切れなかった貧乏国ドイツに対し、ナチス政権確....