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「老妓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老妓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
那も口を出した。 房さんの噂はそれからそれへと暫くの間つづいたが、やがて柳橋の老妓の「道成寺」がはじまると共に、座敷はまたもとのように静かになった。これがすむ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
。娘お村に稼がせて自分は朝から酒ばかりぐび/\飲んで居りますると、矢張り此の頃の老妓《あねえ》で、年は二十七歳に相成りまする、お月と申します脊《せい》はすっきり....
老妓」より 著者:岡本かの子
平出園子というのが老妓の本名だが、これは歌舞伎俳優の戸籍名のように当人の感じになずまないところがあ....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
、双方が意地ずくで、身受の金を競《せ》り上《あ》げにかかったのです。それに双方共老妓を味方にして、こっちへ来い、あっちへ行くなと義理責《ぎりぜめ》にもしたらしい....
新生」より 著者:島崎藤村
と大川端《おおかわばた》の方でよく上方唄《かみがたうた》なぞを聞かせてくれた老妓《ろうぎ》が彼の側へ来た。この人は自分より年若な夫の落語家と連立って来て、一....
」より 著者:島崎藤村
今一人の年増が一緒に興を添えに来た。老松は未だ何処かに色香の名残をとどめたような老妓で、白い、細い、指輪を嵌めた手で、酒を勧めた。 「老松さん、今夜はこういう客....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まごと》の襖《ふすま》や天井などについて説明を求めてみると、前の柳北時代の柳橋の老妓のようなのが(多分、仲居《なかい》の功労を経たものであろう)別に誇るような色....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
尽しです。 やがて、芸者が出て来て、皿小鉢を叩きはじめました。 その中でも、老妓の糸助に、皿八というものが、正客の安直と、金十郎の前へ現われ、皿八がドンブリ....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
年前に京都から来て内幸町の貞奴の家へ草鞋《わらじ》をぬいだ、祇園《ぎおん》のある老妓はこう言ったことがある。 「芝居から帰ると二階へあがって、寝る前に白|葡萄酒....
とんだ屋の客」より 著者:田中貢太郎
んを伴れて、いっしょにとんだ屋へ往って飯を喫うことになったところで、其の席にいた老妓が其のときやっていた芝居の筋を聞くので、喜多村さんはまず湯女の魂の話からして....
水甕」より 著者:豊島与志雄
ただけで、いつまでも姿勢をくずさず、お座敷を勤めているのかどうか分らない身扮りの老妓を相手に、静に話をし静に飲んでいました。 ふしぎなのは一座の様子で、普通は....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。女を知らない中年の男が女に溺れるとダラシがない。酒の味も覚え、お龍をとりまきの老妓役にして差しつ差されつの食卓の賑やかさ、たのしさ。正二郎はもはや寸刻も離れて....
淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
がよかった。綿々として哀調を、舞う妓生の袖に送っている。 舞踏が終わると一人の老妓生が事務室へ現われて席画を始めた。竹と蘭を描いた。絵はさほどうまいとは思わな....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
の石垣の上の風雅な室で友人と二人で酒を酌んだ。そして、この老女将を座敷へ招じた。老妓、おきよもきた。 二人が、口を揃えて言う。 そうですか、あれがみやこ鳥だ....
銀座」より 著者:永井荷風
の障子《しょうじ》を閉めきった座敷の中《なか》は黄昏《たそがれ》のように薄暗く、老妓ばかりが寄集った一中節《いっちゅうぶし》のさらいの会に、自分は光沢《つや》の....