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老嬢
「老嬢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老嬢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
もよく、謂わば陽性の顔である。津島さんと話をしておれば苦労を忘れると、配給係りの
老嬢が言った事があるそうだ。二十四歳で結婚し、長女は六歳、その次のは男の子で三歳....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
》きつけた。あなたの言葉は田舎《いなか》の女学生丸出しだし、髪《かみ》はまるで、
老嬢《ろうじょう》のような、ひっつめでしたが、それさえ、なにか微笑《ほほえ》まし....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
「しまった!」と思い、それから何もかもあきらめて九十九里へ出発したのに違いない。
老嬢の恋は、残念ながら一場の笑話に終ってしまったようだ。 「花火だね。」兄さんは....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、高山植物の神秘に打たれたことはない、白花の石楠花は、潔いけれど、血の気の失せた
老嬢のように、どこか冷たかった、今一と目、この花を見ると、もう堪まらなくなって、....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
曖にも出さなかった。 ある時は態々私のベッドにも立寄って、その母は家主の白痴の
老嬢が縁から転落して脳震蕩を発して急死したことを告げた。私はうっかりしていて、何....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
敦へ愛蘭人がやってきた」ように、黒いヴィクトリア停車場へ着いたものだった。それを
老嬢ロンドンは、
老嬢に特有の白眼と冬の陽ざしと煤けた建物の並立とでごく儀式的に迎....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
、家にいるのは、ゆううつさ。面白くもねえ、姉様だってアプレの癖に……」 「こんな
老嬢もやはりアプレのうちなのね」 「来年から年一つ若くなるんだよ。だけど、麻雀や....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
草は、小使いのおばさんのところでよく喫んだ。彼女も大の愛煙家であったから。秘書の
老嬢に発見されたら、勿論説諭かクビであったろうけれど、幸い、それ程多く喫まないで....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
「あら、私、あなたの解釈とも、御主人の解釈ともちがったことで結婚しないのですわ、
老嬢秘話をあかしましょうか」 仁科六郎はうつむいた。 「私、勿論、結婚してらっ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ロス女史は年齢がもうあまり若くはないのであるが、日本語には完全な訳語がないので、
老嬢という意味で「嬢」と訳することにする。 応報の排列表 人の行為の善悪に対し....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
げのない芸の持主でした。ビングは、才気煥溌、天衣無縫の性情、おおいに珍重すべき中
老嬢ですが、その容姿に至っては、甚だ香しくなく、それを補うのに衣裳考案の技術をも....
「寡婦」より 著者:秋田滋
伯母さま。何でございますの、この指環は――。子供の髪の毛のようでございますわね」
老嬢は面をあかく染めた。と思うとその顔はさッと蒼ざめた。それから顫えを帯びた声で....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
ことを全部知られたのか。 「須賀さん、どこに泊っていらっしゃるだろうって、楽屋の
老嬢連、ひどく関心持ってたわ」 信吉はほっとした。 「――もう綽名までついてい....
「実感」より 著者:織田作之助
お前の亭主には出来ん――という父親の言落を素直にきいているうちにいつか二十九歳の
老嬢になり秋は人一倍寂しかった。 父親は偏窟の一言居士で家業の宿屋より新聞投書....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
た。これはヤアギチ夫人の従姉で、もう三十を越した、顔色の悪い眉毛の濃い、鼻眼鏡の
老嬢であるが、烈しい寒風のなかでも小休みもなく巻煙草を喫うのが癖で、胸のあたりや....