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「老将〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老将の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
な手、頬骨《ほおぼね》の高い赭《あか》ら顔。――そう云う彼の特色は、少くともこの老将軍には、帝国軍人の模範《もはん》らしい、好印象を与えた容子《ようす》だった。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
むというよりもむしろ馬鹿馬鹿しかったのだ。 宿にはいってからも、父やその部下の老将校等はみな会う人ごとに「これが最後のお勤めだ」と言って、ただもう喜び勇んでい....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
囲んだ。が、城陥ると共に、病を獲て、兵を収めて信州に入り、病を養ったが遂に立たず老将山県|昌景を呼んで、「明日旗を瀬田に立てよ」と云いながら瞑目した。 信玄死....
運命」より 著者:幸田露伴
月|耿炳文等兵三十万を率いて真定に至り、徐凱は兵十万を率いて河間に駐まる。炳文は老将にして、太祖創業の功臣なり。かつて張士誠に当りて、長興を守ること十年、大小数....
火星兵団」より 著者:海野十三
て、火星兵団とたたかっているところをみると、どうみても、千軍万馬をひきいる無敵の老将軍のおもかげがある。たのもしいかぎりである。 かんがえてみるのに、蟻田博士....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
手の作者よ、小説家よ!……天晴れ、と一つ煽いでやろうと、扇子を片手に、当時文界の老将軍――佐久良藩の碩儒で、むかし江戸のお留守居と聞けば、武辺、文道、両達の依田....
堕落論」より 著者:坂口安吾
いので、私は生という奇怪な力にただ茫然たるばかりである。私は二十の美女を好むが、老将軍も亦二十の美女を好んでいるのか。そして戦歿の英霊が気の毒なのも二十の美女を....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
うちに、温情があふれ漲っている。 「これは極東の教主様の、御意の通りと存じます」老将軍とでも形容したいような、頑健な老武士はこう応じたが、その声には一種の不快さ....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
色の浅黒い美丈夫で、頬髯を生やしている。よく慈善の目的で素人芝居を催して、自身は老将軍の役を買って出るのだったが、その際の咳のしっぷりがすこぶるもって滑稽だった....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
提督エリオットを、一二度見かけたことがあって、容貌風采を知っていたので、馬車中の老将校がエリオットであることを、僕は早くも見て取ることが出来た。 娼公、俳優と....
競漕」より 著者:久米正雄
選手が彼ら自身の方から自発的に気色ばんで来るのを待っていた。彼の態度にはちょっと老将というような概があった。 十時近くなると皆は五分ずつバック台をやってそして....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
二百二十マイルの距離であった。今度はエセックスのほうが早手まわしだったのである。老将サア・ロオジャー・ウィリアムスの指揮下にある一支隊とともにただちに乗船し、ス....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
大地が震う。 お前方が歩いて行った跡には轟が残る。 ピロスから己達は上陸した。老将ネストルはもういなかった。 拘束するに及ばぬこの軍が 幾多の小王国を打ち破っ....
」より 著者:神西清
んするほど温かな彼女の部屋部屋は私に、尼僧院長の居間か、さもなければ信心に凝った老将軍夫人の居間を思わせるのだった。 私は客間にはいった。妻は意外の色も当惑の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
止まるは危険な旨を具申している。 主力をポー川左岸に冬営していた墺軍の新司令官老将ボーリューはゼノバ方面に対する仏軍活動開始せらるるを知り南進を起し、三月三十....