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「老成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
きの中に聞くこの笑い声は diabolic なものだった。「若い方《かた》」……老成ぶった事をいうと葉子は思ったけれども、しかし事務長にはそんな事をいう権利でも....
食魔」より 著者:岡本かの子
く自分を見る。そこに映り出る青年があまりに若く美しくして先生と呼ばれるに相応しい老成した貫禄が無いことを嘆いた。彼はせめて言葉附だけでもいかたものにしようと骨を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すよ」 それに、旗太郎が割って入った。そして、相変らずこの異常な早熟児は、妙に老成した大人のような、柔か味のある調子で云った。 「法水さん、その障壁と云うのが....
骨董」より 著者:幸田露伴
で遣って行かれるほどになっていたのである。しかし何家の老人も同じ事で、親父はその老成の大事取りの心から、かつはあり余る親切の気味から、まだまだ位に思っていた事で....
運命」より 著者:幸田露伴
の側に侍して顧命を受けたる者は、実に帝と殷となり。太祖顧みて殷に語りたまわく、汝老成忠信、幼主を託すべしと。誓書および遺詔を出して授けたまい、敢て天に違う者あら....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
よ。私たち風来とは違って、矢野には学士の肩書がある。――御縁談は、と来ると、悪く老成じみるが仕方がない……として、わけなく絡るだろうと思うがね、実はこのお取次は....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
、その調子に合せようとすると、案外|狡く調子を静め、それからステップの合間/\に老成せたさゝやきを新吉の耳に聞かせ始めた。 ――あんた。あたしと今日もう此所だけ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
間は敵わぬことになる。例えばあの鎌倉八幡宮の社頭の大銀杏の精――あれなどはよほど老成なものじゃ……。』 『お爺さま、あの大銀杏ならば私も生前によく存じて居ります....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
をくっていたが、無邪気でもあり、同時に、低脳でもあったが、ヨタ組は若くて、しかし老成しており、学業は出来ないが、判断は早く、行動はジンソクだった。両者に共通して....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
にテンヤワンヤなのは先生方で、子供の方が大地をシッカとふみしめてガサツではあるが老成しているような珍事を見るのではないかと、ひそかに心細い思いをしているのである....
貞操問答」より 著者:菊池寛
をした。 「まあ。そうお。」と、美和子は改めて挨拶したが、しかし、美和子は、その老成した頭で、新子と前川とのただならぬ関係をほぼ察していたので、前川夫人を新子の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に何かを求めようとするならば、別天地のはてに向かうべきである。東亜も西欧もすでに老成しており、むしろ南半球の地はなにごとも年若いのだから。) 果たしてしかりと....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
くれていられないのは眼に見えるようである。しかし、その良寛様も安田画伯のいわれる老成以前の書と、晩年とでは大変な相違がある。私は晩年あるいは晩年に近い御作をとっ....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
女に対する自分の態度というようなことに就いて充分考えてみたかった。どうせ神経質で老成している政枝が自分にこの上追及して来ないとは思えなかった。 「おばさん生きな....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 宰相 此頃は輿論が大ぶ保守から遠ざかっているが、 己なんぞはやっぱり老成者の身方だ。 己達が無条件に信任せられていた時代が、 兎に角真の黄金時代だっ....