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老来
「老来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老来の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「画室の言葉」より 著者:藤島武二
頭情更好 一双高睡海棠春 これまた海棠と白頭鳥を描いたものであるが、そこには
老来伉儷相和するの意が寓されていることを知るのである。 東洋画には東洋画の伝統....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
か知らぬが、何様《どう》して中々素人では無い。「四十年前少壮時、功名聊復自私期、
老来不識干戈事、只把春風桃李巵《サカヅキ》」なぞと太平の世の好いお爺さんになって....
「立札」より 著者:豊島与志雄
も一つは、張一滄自身の食欲でありました。多食と美食とで豚のように肥え太りながら、
老来ますます健啖で、二三日に亘る長夜の宴にも、最後まで踏み止まるだけの力を持って....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
ダムというのがあるから、雇われマスターでいいや。玄斎先生、七十になるそうだけど、
老来益々色ッぽくなってきたよ。数年前から十六七のチゴサンの色気がにじみでてきたと....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
ずだと、私はこの年になってつくづくこう思うようになったんだね。私にも性慾はある。
老来むしろ旺盛になったかと思われるぐらいの性慾があるんだが、どうもそれを愛情のた....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
により、最も聡明なる協力により、最も同情あり効果ある助力により、又児童を歓迎して
老来体力の衰頽により図書館の利用不可能なるに至るまで、これを離るるに忍びざらしめ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
死し海にたおれるともなんのいとうところがあろうか、天地は元来わが家なのだから。)
老来擲舒。 (老いしたがってかえって多くの書を投げすて、意気揚々として鵬もおよぶ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その語を、今ほど痛切に覚えたことはない。柳生とならび称されて、一刀流の全盛を見、
老来やや人生に安んじているまに、社会の後からはもう、こんな麒麟児が生れつつあった....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼はどうだろう。赤壁の役の前、観月の船上でも、うたた自己の老齢をかぞえていたが、
老来まったく青春時代の逆境に嘯いた姿はなく、ともすれば、耳に甘い近側のことばにう....
「三国志」より 著者:吉川英治
に数十合の青龍刀を揮った。 ――が矢瘡はまだ完く癒えたとはいいきれない。わけて
老来病後の身である。危ういこと実に見ていられない。わけて親子の情に駆らるる関平に....
「三国志」より 著者:吉川英治
亡しと聞くと何か大きな空ろを抱かせられたのである。仲達もまさにその一人だったが、
老来いよいよ健なるその五体に多年の目的を思い起すや、勃然と剣を叩いて、 「蜀軍に....
「親鸞の水脈」より 著者:吉川英治
ら法縁といってもいいかもしれません。ところが「親鸞」はご承知のような愚作ですし、
老来まだこんな態ですから、何ともよき法縁を可惜にしていたと思っています。 それ....