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老梅
「老梅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老梅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
だろう。実は先日僕がある用事があって図書館へ行って帰りに門を出ようとしたら偶然|
老梅《ろうばい》君に出逢ったのさ。あの男が卒業後図書館に足が向くとはよほど不思議....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ひょろひょろとした南天の影|手水鉢をおおうてうつむきざまに映り、右手には槎※たる
老梅の縦横に枝をさしかわしたるがあざやかに映りて、まだつぼみがちなるその影の、花....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》を揺り動かすのはお浜の声。 頭を上げて見ると、日はカンカンとして障子にうつる
老梅の影。 「こんなお手紙が」 「ナニ、手紙が……」 竜之助、何心なく受取って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う家が多いようですね」
「それだ、わしも時々、出かけて見ると、あの枝ぶりの面白い
老梅の樹を、むざむざと伐っているから、何にするのだと尋ねると、家が日蔭になって邪....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いました。 全く無事で、がんりきのがの字も聞えず、今日もいい天気で、障子の外に
老梅の影が、かんかんとうつっている。 十 果して、お角の想像....
「小春」より 著者:国木田独歩
つつあるを見る。礫多き路に沿いたる井戸の傍らに少女あり。水枯れし小川の岸に幾株の
老梅並び樹てり、柿の実、星のごとくこの梅樹の際より現わる。紅葉火のごとく燃えて一....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
。高でございます。久しくお眼にかかりませんでございました」
若松屋惣七は、庭の
老梅の幹のような、ほそ長い、枯れた顔を、まっすぐに立てて、きちんと端坐《たんざ》....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
かへ入れて雀蕎麥を作ったところ、これが甚だ珍味であったのである。折柄、屋敷の隅の
老梅の根方に、蕗の苔が小さい頭をだしていたので、これをつまんで薬味として加えたと....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
さだめし眠たかろう。やすめ、やすめ」 勘兵衛の髪の毛は、まっ白であった。体は、
老梅のように痩せて尖っている。 「お案じくださいますな。新蔵は、昼寝しております....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、心をくだいていた。ずいぶん怖い人にちがいなかった。だが今日残っている彼の画は、
老梅の花とも、秋霜の菊華とも、気品のたかさゆかしさ、称えようもないではないか。 ....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
は、きまって二人の若者が何処からか現れては、やっと小枝に艶と張りとを見せはじめた
老梅の木の下に、しのぶずりの狩衣に指貫の袴をうがち、烏帽子のさきを梅の枝にすれす....