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「老病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その長い廻り道を短くするには、自分の生活に対する不満を本当に感ずる外にはない。生老病死の諸苦、性格の欠陥、あらゆる失敗、それを十分に噛みしめて見ればそれでいいの....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
を告げねばならぬものならば、人間は知識のあるだけそれだけ動物におとるわけである。老病死の解決を叫んで王者の尊を弊履のごとくに捨てられた大聖|釈尊は、そのとき年三....
愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
らってこしらえた自作の歌であった。 一別三年 一日三秋 君何ぞ帰らざる 記す尊姑老病 親ら薬餌を供す 塋を高くして埋葬し 親ら麻衣を曳く 夜は燈花を卜し 晨に喜....
足迹」より 著者:徳田秋声
がまた戻って来て、お庄と一緒に留守をすることになった。夏の中ごろに年取った伯母の老病を見舞いに行った母親は、そのころまでも伯母の傍に附いていた。伯母の病気は長い....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
なければ都合が悪いと、へえ存じますが、何うも婆の方が先へ死にそうで……いゝえなに老病でござりましょうから、思うように宜くはなりません、それ故に御無沙汰を、えゝ只....
極楽」より 著者:菊池寛
裡に燃えて居た。ところが、その肝心の極楽へ来て見ると、如何にも苦も悲しみもない、老病生死の厄もない。平穏な無事な生活が、永遠に続いて行くのである。が、おかんには....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
いう。所謂《いわゆる》埋没さるること無き英霊底の漢《おのこ》である。大坂陣の時は老病の床に在ったが、子の重綱に対《むか》って、此戦は必ず一度和談になって、そして....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はそれを言い消してみたけれども、決して心が安んじたわけではありませんでした。まだ老病で死なれる歳ではない、また苟且《かりそめ》の病に命を取られるような脆《もろ》....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
。――処でこの観念論は云わば全くの小乗宗教に帰着する。問題は肉体なのだ。だから生老病死が一切の問題なのである。で、仏教復興や各種の邪教(?)や民間治療、それから....
丹下左膳」より 著者:林不忘
こむだけで、昼ながら、室内はうすぐらい。 ここは司馬家の寮なのですが、故先生が老病になられてから、何年も来たこともなく、手入れもしないので、それこそ、狐や狸の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
プスをまたいだあの男を、またエリゼー小父《おじ》というあのよろめきつつゆく善良な老病者を(訳者注 ナポレオンとルイ十八世)、自己の聖なる仕事に適合させる。彼は脚....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
オレの親方はヒダ随一の名人とうたわれたタクミであったが、夜長の長者に招かれたのは、老病で死期の近づいた時だった。親方は身代りにオレをスイセンして、 「これはまだ二....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
。この篇の稿|成るや、先生一本を写し、これを懐にして翁を本所の宅に訪いしに、翁は老病の余、視力も衰え物を視るにすこぶる困難の様子なりしかば、先生はかくかくの趣意....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ある。そこへ招待された。老尼僧の言われるには、私はもう十五、六年間の病人でどうせ老病であるから治る見込はないが、名高いあなたに脈だけ見てもらって、よし治らなくて....
法然行伝」より 著者:中里介山
年の九月に少しからだが悪かった。その時弟の淡路守後基を招きよせて、 「わしはもう老病で遠くはあるまい。対面も今日が限りだろう。お前も罪悪深重の人であるから必ず念....