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老衰
「老衰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老衰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
前に育ち上った時、私は死んでいるかも知れない。一生懸命に働いているかも知れない。
老衰して物の役に立たないようになっているかも知れない。然し何《いず》れの場合にし....
「富士」より 著者:岡本かの子
射佐妣《むささび》という鳥だか、獣だか判らないものをお珍らしかろうと贈りに来た。
老衰を防ぐにはこれが第一だといって武奈岐《むなき》を持って来て呉れるものもある。....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
しまってる。 予はしばらく背を柱に寄せて考えるともなく、種々に思いが動く。姉の
老衰を見るにつけ、自然みずからをかえりみると、心細さがひしひしと身に迫りくる。 ....
「人間灰」より 著者:海野十三
れから都合によって、空気工場へ廻るぞ」といって出かけた。 後で署員たちは、あの
老衰署長が、こんどに限って、どうしてあのように威勢がよかったり、味な調べ方をやる....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
れにつき放送した。趣旨は分り切ったことである。若い声だが、原稿をとちるところなど
老衰が見えるようである。 ドイツ大使スターマー氏も声明を発表した。「ヒットラー....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ていた。思えば都会|偏愛のあわれな父娘だ。それがため、父はいらだたしさにさもしく
老衰して行き、自分は初恋から卑しく五十男に転換して行く……。くらやみの中で自分の....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
」 「と、おっしゃると何か――」 「重大事があるから、わしは危険をもかえりみず、
老衰《ろうすい》した身体にむちうって駆《か》けつけてきたのですわい。そのことだ、....
「大脳手術」より 著者:海野十三
った。 “臓器や四肢を取替えることによって見掛けの若返りは達せらるるも、脳細胞の
老衰は如何ともすべからず、結局永遠の生命を獲得することは不可能である” 私は失....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
ることもなくて助かった。 ただ気の毒なのは、進の父六角博士の容態だった。博士は
老衰病のため、ひどく弱っていて、動かすことも出来ない有様だった。 その夜一行は....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の残生のほうを見ようとして振返ってみた。私は醜い、淋しい老年と、間近に迫っている
老衰とを見た。そして、すべてはそれで終りなのだ、それで何もかもが終りなのだ! し....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
数がいよいよ減って、主人と用人と奴とたった三人が寂しく残った。十太夫はだんだんに
老衰して来た。権次は満足に歩くことも出来なかった。あばら家は朽ちて傾いて、広い庭....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
と心がけておりました。が、初めの中は準備時代であり、思うままにならぬ中に、もはや
老衰の境に入りました。」 というようなことが書いてある。 翌一八六二年三月十二....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
リシェウィズムであった。それから比べると今日はあんまり平凡過ぎる。官僚も民間も皆
老衰してしまった。政治界でも実業界でも爺さんでなければ夜も日も明けない老人万能で....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
爺などを勤めいたるが、七日目より脳貧血に罹りて欠勤す。団十郎、菊五郎、近来著しく
老衰し、好劇家は一種寂寥の感を禁ずる能わず。 ○一月十日、三代目河竹新七死す、六....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あり。国の興亡、民族の盛衰。右や左の運動もその中で行われれば、恋愛、結婚、出産、
老衰の人生の過程も繰り返される。飛行機も飛べば、潜水艇も潜航している。万朶の花、....