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「老躯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老躯の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小作人への告別」より 著者:有島武郎
疑いはありません。父は道庁への交渉と資金の供給とに当たりました。そのほか父はその老躯《ろうく》をたびたびここに運んで、成墾に尽力しました。父は、私が農学を研究し....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
相、鈴木貫太郎大将は、昨夜新任挨拶を放送した。「政治には素なり、八十に垂んとする老躯をひっさげて、諸君の陣頭に立つは、自ら鑑みて悲壮の感あるも、大命を拝せし以上....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
共に第一軍を率い、次郎|正儀は東条に留守軍となって居た。吉野朝廷からは北畠親房が老躯を提げ、和泉に出馬し、堺にある師泰に対抗して居た。亦四条隆資は、河内等の野伏....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
植えてまた来年のたのしみ、と来年どころか明日知れぬ八十あまりらしい見るかげも無き老躯を忘れて呟いている慾の深さに、三人は思わず顔を見合せて呆れ、利左ひとりは、何....
日輪」より 著者:横光利一
下がって来た一人の宿禰が、八尋殿を通って贄殿の方へ来た。彼は痼疾の中風症に震える老躯を数人の使部に護られて、若者の傍まで来ると立ち停った。 「爾は何処の者か。」....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
も唱うる処たり。依て我等老夫婦は、北海道に於ける最も僻遠なる未開地に向うて我等の老躯と、僅少なる養老費とを以て、我国の生産力を増加するの事に当らば、国恩の万々分....
闘牛」より 著者:野上豊一郎
当代一流の闘牛士であるが、老ベルモンテは此の間イタリアからチアノ伯が訪問した時、老躯を提げて唯一人で猛牛に立ち向い、すべての役を一人で演じて仕止めた。今度サン・....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
のようになって、妓たちを手古ずらせていたが、その寒巌枯骨ともいえるような細ッこい老躯の中には、なかなか利かない気性が潜んでいるらしく、さっき白紙の返書を遣こした....
三国志」より 著者:吉川英治
きだ。よい死場所こそ欲しいものよ」 彼もまた、やがて鞭うって後に続き、なおその老躯を、追撃戦の中に働かせていた。 副将|※芝も、何処からか現われてきて、それ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
これには、誰の異存もない。 そこで、次の日、万里小路ノ大納言宣房は、七十ぢかい老躯をもって、関東下向の旅についた。 副使は、三条公明。 もちろん、勅使とあ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
とき姿であった。 「ハハハ、お迷ぐらしを」 と、高時の半痴な言とも、遊び合う。老躯の、しかも大納言ともある身で、こんなさい、関東のまッただ中へ、しのび下向を踏....
私本太平記」より 著者:吉川英治
れを読んで、ほぼ満足のうちに巻き収めていたといえないことでもなかった。 「和氏。老躯に鞭打たせて、ご苦労だったが、使いの功は上々であったぞ。これでまず、義貞もじ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
った。牛若にかぎらず、ぼくは子どもを書くのは好きである。書きながら自分の少年期や老躯の中の童心がよび起こされるからだと思う。 その牛若も育ってゆくにつれてむず....