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「老酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
「何しろこの頃《ごろ》は油断がならない。和田《わだ》さえ芸者を知っているんだから。」 藤井《ふじい》と云う弁護士は、老酒《ラオチュ》の盃《さかずき》を干《ほ》してから、大仰《おおぎょう》に一同の顔....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
小さい球根を考えたりしていた。 「おい、君の隣に坐っているのはね、――」 譚は老酒《ラオチュ》に赤らんだ顔に人懐《ひとなつ》こい微笑を浮かべたまま、蝦《えび》....
島原の乱」より 著者:菊池寛
江戸慕府へ九州動乱の急を、大阪城代が報じたのは寛永十四年十一月十日の事である。大老酒井忠勝、老中松平信綱、阿部忠秋、土井利勝等の重臣、将軍家光の御前で評定して、....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
い骨を横に突き刺して附近に出没し、そのたびに、青竜刀がなくなったり、取っておきの老酒の甕が姿を消したり、泣き面に蜂の苦難つづきであったが、しかもなお彼は抗日精神....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
件はそれだけにして、良一は誘れるままに、支那料理をたべに伯父のお伴をした。伯父は老酒《らおちゅう》が好きだったので、良一もその相手をしてるうちに、いいかげんに酔....
死ね!」より 著者:豊島与志雄
という。そんなことを話しながら、彼は私を誘った、支那料理のさっぱりしたものだけで老酒を飲むのだと。金が少しはいったから心配はないという。そして連れだって歩いてい....
女と帽子」より 著者:豊島与志雄
次第に生気《せいき》がさしてくるようだった。南京町にいって、支那料理屋にはいり、老酒《ラオチュウ》をのみ、よく食べた。それから電車で東京に帰っていった。 電車....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
テンプラやスキヤキの上等もある。日本酒や洋酒は質が劣ってきたが、紹興本場の美事な老酒は豊富にある。ただそれらも、一時の旅客の財布がこれをもちこたえ得るだけで、上....
画舫」より 著者:豊島与志雄
やテープが散乱していました。夜の時間がたつにつれて、料理の皿は冷えてきましたが、老酒の銚子は熱くなりました。拳《けん》の勝負を争う者もあり、カルタを取寄せる者も....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
る足を踏みしめて桑の樹に攀じ昇り、畑中へ飛び下りると、そこは繁りに繁っていたが、老酒も饅頭も食べられそうなものは一つもない。西の垣根の方は竹藪で、下にたくさん筍....
明日」より 著者:井上紅梅
「声がしない。――小さいのがどうかしたんだな」 赤鼻の老拱は老酒の碗を手に取って、そういいながら顔を隣の方に向けて唇を尖らせた。 藍皮阿五....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
ど喋舌り、漆濃く絡みつく奴が少くない。彼等は人の手許をじろりと見たがる癖がある。老酒を甕の中から汲み出すのを見て、徳利の底に水が残っていやしないか否かを見て、徳....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
然たる九州の富豪であった。従って官民上下からも多大の尊敬を払われていたが、時の大老酒井忠清は取り分け彼を愛していた。 で、此時も邸へ招いて、彼の口から語り出さ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
と、同氏もここに画舫をつないで、槐の梧桐の下で西湖の水をながめながら、同じ飯館の老酒をすすり、生姜煮の鯉を食ったとしるされている。芥川氏の来たのは晩春の候で、槐....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とおびただしい。そこで目をつけたのは中国人の寝ているベッドの下に置いてある梅酒や老酒のかめである。 「チャー、ポー、ファン」。中国人たちはケンを打って、日本とは....