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老顔
「老顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
をやった傷痕が、官僚政府に出仕して意気地なしの老官吏に成り果てた後までも、彼らの
老顔の皺の間に残っているように、若杉裁判長の青年時代の信仰も、やっぱりどこかに痕....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
えは思う」 という声濁りて、痘痕《とうこん》の充《み》てる頬骨《ほおぼね》高き
老顔の酒気を帯びたるに、一眼の盲《し》いたるがいとものすごきものとなりて、拉《と....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
、杯洗で三杯まで重ねた。さすがに最後の一杯は飲み渋った。酔いが、健康らしい褐色の
老顔にもありありと現れた。 「嘉平次さん! お前さんの包丁は、また格別だな、いつ....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
酷いことをしやがる。酷いことをしやがる」と、云うかと思うと、瘠せた右の手の甲で
老顔を幾度もこすりました。私は父の悲憤を眼にしますと、再び胸のうちが湧き返るよう....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
うちに粟生氏が「箙」の切の或る一個所をかれこれ二三十遍も遣直させられたと思うと、
老顔に浴びるように汗の滝を流しながら、精も気根も尽き果てた体で謡本の前に両手を突....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
きたい」 こうも考える、だがかれはすぐそれをうちけす。かれの目の前に伯父覚平の
老顔がありありと見えるのである。 「おれが働かなきゃ、みなが食べていけない」 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私、こんなところで暮しとうございます……。』 するとお爺さんは満足らしい微笑を
老顔に湛へて、徐ろに言われました。―― 『実はここがそちの修行場なのじゃ。モー別....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
にも聞き込まれ、このまま捨て置かれぬといって、まず旧家老あたりの者やその他藩の元
老顔をしている者に説諭を托された。従って私の父櫨陰もこの仲間に加って、彼方此方と....
「秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
総監が部屋を出て行くとシモン博士が訊ねた。 「一つございますが」とイワンは灰色の
老顔を皺くちゃにしていった。「それがまた重大な事でございますよ。庭にたおれていた....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て喜んでいる。「あのなあ、うちのみきね、あれも困りものだ。それに」といいさして、
老顔に深い皺を寄せる。いつにない父のうち解けようである。みきというのは継母の名で....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
きたないなりをしているときに、そんなに見るもんじゃないよ」
日本一太郎の端麗な
老顔を、同情のいろが走りすぎて、お駒ちゃんを促して藤代町のほうへまがりながら、
....
「三国志」より 著者:吉川英治
たわけです」 そういって、じっと董卓の面を見ていると、つつみきれぬ喜びに、彼の
老顔がぱっと紅くなった。 「ほ。……それは意外な詔だが、しかし、朝臣の意向は」 ....