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考えもの
「考えもの〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
考えものの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
ん。」
この言葉はわたしを不安にした。が、それ以上尋ねることはやはりわたしには
考えものだった。わたしは何かあった場合に彼等に疑いをかけられない用心をする気もち....
「或る女」より 著者:有島武郎
いえなくなる。ところが葉子さんの前では全く異《ちが》った感じで物がいえる。これは
考えものだ」
「葉子さんという人は兄がいうとおりに優《すぐ》れた天賦《てんぷ》を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うも面白くねえようだ。だが、おまえさんが自分でかたき討ちをすると云うのも、ちっと
考えものだ」 鶴吉は福田の屋敷の家来でない。主人の妾の弟に過ぎないのであるから....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
方を眺めた。 「弱ったな、相棒は起せないし――」 「ええ?」 「喜多公なんだよ。
考えものだからね」 さっと青年の眼は怯えあがった。 「ま、この儘にして置いて一....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
うか」 縺れ出しては切りのないかの女の性質を知っている逸作は言下に云った。 「
考えものだな。君は自分のむす子に向ける感情だけでも沢山だ。けどこないだの晩は君の....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
人達にあらためて貰いましょう。」 こうなると、這奴をうっかり問屋場へ引渡すのも
考えもので、いわゆる藪蛇のおそれがあります。憎い奴だとは思いながら何うすることも....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
通機関であるからと云って、停車場の風致までを生半可な東京風などに作ろうとするのは
考えものである。 大きい停車場は車窓から眺めるよりも、自分が構内の人となった方....
「海底都市」より 著者:海野十三
そく》彼等に対抗したらいいではないか。彼等を追払ったがいいじゃないか」 「それが
考えものなんだ。第一、そんなことは、わが住民たちが同意しないにきまっている」 ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
途絶えた。 (ですがね、貴下、無理にも発程てお帰り遊ばそうとするのは――それはお
考えものなんですよ。……ああ、綾さんが見えました。) と居座を開いて、庭を見な....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
為に停車場前のカッフェへはいることにした。 それはカッフェと云う名を与えるのも
考えものに近いカッフェだった。僕は隅のテエブルに坐り、ココアを一杯|註文した。テ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
まるで三題|噺のようじゃないか。さぞ差配様がお考えなすったろう、ああ、むずかしい
考えものだね。」 思わず警句一番した、女房も余りの話、つい釣り込まれてふき出し....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
通機関であるからといって、停車場の風致までを生半可な東京風などに作ろうとするのは
考えものである。 大きい停車場は車窓から眺めるよりも、自分が構内の人となった方....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
だ」 「なるほど、そこまではぼくも考えつかなかったよ。そうすると、透明になるのも
考えものだね」 「もちろん、こまることもあればいいこともある。けれども新しい生活....
「がん」より 著者:小川未明
ことだ。ただ、この頼りない希望のために、この安全なすみかを捨ててゆくということが
考えものなのだ。おそらく、もう二|度ともどってくることはできなかろう。」と、りこ....
「世間師」より 著者:小栗風葉
度何か食おうにも持合せはもう五厘しかない。むやみに歩き廻って腹ばかり虚かせるのも
考えものだ。そこで、私は町の中部のかなり賑かな通へ出て、どこか人にも怪まれずに、....