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考え合せる
「考え合せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
考え合せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
る。又は全然そうでないかのようにも思える……。 ……そうした判断の不可能な事を
考え合せると、その恐怖、不安、戦慄が更に更に神秘数層倍されて来るのであった。 ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
の寝間の伽《とぎ》をさせたことそれ自体、いわば、親兄の犠牲としたのにすぎないのを
考え合せると、此処《ここ》でその望みを阻止することもあまりに思いやりがなさすぎる....
「旅愁」より 著者:横光利一
に彼が思うのも、千鶴子がどんな意味か分らず洩らした歎息であっただけに、今の自分を
考え合せるとはっきりして彼も怖くなった。
「この次は家内をつれて来ますから、その....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
磨《みが》きたてた黄金のようであった。この虫の重さも大したもので、すべてのことを
考え合せると、ジュピターがああ考えるのをとがめるわけにはゆかなかった。しかし、ル....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
また片手の無い奴、それを捉まえてみるとその夜のうちに消えてなくなる」 「それらと
考え合せると、昨夜の婦人の挙動、それから前のいろいろの珍事にいちいち糸が引いてあ....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
てるということを、彼は嘗て夢にも知らなかった。それかと云って、宮原の話やなんかを
考え合せると、それは確かに沢子のことに違いなかった。沢子が絵を習ってるのを今迄自....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
けないのだ。とはいえ、今は寧ろそのことを感謝したい気持である。 ――この一節を
考え合せると、前の場面から何かが見落されてるように思われるのである。村尾はまたこ....
「株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
あると云うことと、そして剃刀と仮髪とさえあれば人間の顔貌は変えられると云うことを
考え合せると、私はその二人が同じ人間であると疑わざるを得なかったのです。無論あな....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ます。しかし、こういう点を考慮することと、あなたが義務だとお取りになることをよく
考え合せることは、あなたにお任せします。私の分別なり考えなりは、もはや死が近くな....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
――それから、深雪が、自分の口から、叡山へ行きたい、と、云い出したの、と、三つを
考え合せると、はっきりと、深雪の気持が判った。
(よく死にたい、と仰しゃるが、今....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
していない。國友の前身と貴島という人間、そして、貴島のD商事は直ぐ近くにある――
考え合せると、今の光景がどんな事を意味しているのかまるでわからないままで、それほ....
「上海」より 著者:横光利一
海まで流れて来たか、今は彼女の記憶も朧げであった。だが、親戚の者のいったところを
考え合せると、父は陸軍大佐で、演習中に突然亡くなり、母一人の手でお杉が養われてい....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
ったカッフェへ這入って行った。 私はそこで黙って飲んだ。一つのことをしっかりと
考え合せる意識が、例え存在していても、いつの間にかばらばらになって行くほど酔った....