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「考え込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

考え込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
入れ札」より 著者:菊池寛
九郎助 ありがてえ。 (九郎助筆を取る。煩悩の情ありありと顔に浮かび、しばらく考え込む) 浅太郎 おい、爺さん。早く筆を回してくんねえか。 九郎助 何だと....
勝負事」より 著者:菊池寛
なくほうけてしまって、物忘れが多く、畑を打ちながら、鍬を打つ手を休めて、ぼんやり考え込むことが多かったそうです。そんな時は、若い時に打った五百両千両という大賭博....
」より 著者:岡本かの子
き当てたとき、子供はぷるぷると胴慄いした。子供は煎餅を持った手を控えて、しばらく考え込む。うっすら眼に涙を溜めている。 家族は両親と、兄と姉と召使いだけだった....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
、遅すぎるかもしれないが、明日にしよう。今日いくのは危険だ」 といって、何をか考え込む様子だった。 城塞見物 その夜は、娘さんたちに約束のとおり、白木....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
えようけれど、自分じゃ泣きたいよ。あとではなおさら気がめいッて、ただしょんぼりと考え込むと、また、いつもの(死ねばいい)が見えるようなの。 恐しくッてたまらな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そそったのは事実でございました。それからの私は絶えず竜宮界の事、乙姫様の事ばかり考え込むようになり、私の幽界生活に一の大切なる転換期となりました。 が、私の竜....
姨捨山」より 著者:楠山正雄
ころがよほど見分けにくい馬と見えて、名高いばくろうの名人でも、やはり首をかしげて考え込むばかりでした。そこでお百姓はまた穴倉へ行って、おかあさんに相談しますと、....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
むまいな。いずれ大勢で盛り返して来よう」 「ちとそいつはうるさいな」ホーキン氏は考え込む。 「来る端から叩っ斬るまでよ」紋太夫は平気である。 「しかしきゃつらは....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
その鏡に自分の顔をうつして、かの写真とこの面影とを見較べて、身じろぎもせずに何か考え込むことが、これまでも、しばしばあった。かれとこれとにどこか似ているところが....
火の扉」より 著者:岸田国士
きかれて、名前を言つたものかどうかと迷つた。 「えゝちよつと……」 と、彼女は考え込む。 「もう、八王子へ引返す電車はございませんね」 「上りの終電車は時間通....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
でございます。 けれどどうやらそれからというもの、良人の様子が沈んでしまって、考え込むようになりました。そんな時私が話しかけましても、ろくろく返辞さえ致しませ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
り合っているのか?) 勿論陣十郎には合点いかなかったが、そういうことを突詰めて考え込むほど、彼の気持は冷静でなく、彼の躰は健康でなかった。 (それにしても井上....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
んな失敗を起こすことがある。そういう時は御飯をいただくことすら忘れて一日も二日も考え込むことがある。 失敗をごまかそうとするのではない。この失敗を如何にして成....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
不思議がるには、何も吉野山まで汽車に乗って行って、桜の下で毛虫にびくびくしながら考え込む手数などは要りません。手近かの庭の池の鯉、軒を伝う猫などにも、不思議な生....
四つの都」より 著者:織田作之助
ちゃんや姉ちゃんの傍が恋しいのか?」 新吉(すゝり泣いて)「うん」 鶴三、暫らく考え込む。 壁に小鳥の籠と並んで模型飛行機がぶら下っている。 鶴三、ちらと見る。....